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2011 年度 実施状況報告書

アロマセラピーによるヘルスプロモーション:精油の抗アレルギー作用機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 23700800
研究機関岡山大学

研究代表者

柴倉 美砂子  岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (30314694)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードアロマセラピー / 精油 / 喘息 / ヘルスプロモーション
研究概要

私は本研究においてアロマセラピーに用いられる精油の効果や作用機序を、マウス喘息モデルを用いて解明しようとしている。平成23年度には、3種類の精油を喘息マウスにそれぞれ投与して、気道抵抗測定、肺胞洗浄液中の細胞分画、肺胞洗浄液中のサイトカイン濃度、血清IgE値、肺門・腹腔リンパ節リンパ球のサイトカイン分泌能、腹腔肥満細胞の脱顆粒を測定し、喘息マウスに対する精油の効果を評価する計画であった。 これまでの研究で、気道抵抗測定、肺胞洗浄液中の細胞分画、血清IgE値の測定を行い、さらに病理組織標本を用いたPAS染色にて肺胞中杯細胞を検出した。精油の経口投与によって喘息マウスの気道抵抗の軽減が認められた。喘息マウスでは増加する肺胞洗浄液中の細胞数が精油投与により抑制された。しかし、好酸球数の抑制は認められなかった。喘息マウスでは杯細胞が著しく増加するが、精油投与によって杯細胞数の低下を認めた。一方、喘息マウスで検出される血清IgE値は、精油投与により影響を受けなかった。これまでの実験から、特定の精油の経口投与によって喘息マウスの症状が軽減することが判明した。精油の肥満細胞脱顆粒抑制効果は、肥満細胞の分離が困難で検討できなかった。今後は、肺胞洗浄液中のサイトカイン濃度測定や肺門リンパ節サイトカイン分泌能を検討する。人が精油を利用する時の状態に近いと考えられる揮発した精油の吸引による投与方法でも同様の実験を行う。 精油の効果を科学的に検証した報告は少ない。今回報告する研究結果は、経験的に用いられている精油の疾患に対する作用機序の一端を解明するものである。このような科学的実証を積み重ねることで、安全なアロマセラピーによるヘルスプロモーションを社会に発信して行く。本研究のような動物疾患モデルを用いた精油の作用機序解明は非常に重要な研究課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

精油の経口投与によって喘息マウスの気道抵抗の軽減が認められた。喘息マウスでは増加する肺胞洗浄液中の細胞数が精油投与により抑制された。しかし、好酸球数の抑制は認められなかった。喘息マウスでは杯細胞が著しく増加するが、精油投与によって杯細胞数の低下を認めた。一方、喘息マウスで検出される血清IgE値は、精油の投与により影響を受けなかった。これまでの実験から、特定の精油の経口投与によって喘息マウスの症状が軽減することが判明した。以上の実験結果から、精油のマウス喘息モデルに対する作用機序の一端が解明されつつあり、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

肺胞洗浄液中のサイトカイン濃度測定、肺門リンパ節サイトカイン分泌能を検討して、精油の喘息軽減効果の作用機序を解明する。また、人が精油を利用する時の状態に近いと考えられる揮発した精油の吸引による投与方法でも、気道抵抗測定、肺胞洗浄液中の細胞分画、血清IgE、肺胞洗浄液中サイトカイン濃度、肺門リンパ節リンパ球サイトカイン分泌能の測定や、病理組織標本を用いたPAS染色やHE染色を行い、喘息マウスへの精油の効果を評価していく。 2012年8月に京都で開催される第1回国際アロマセラピー会議に参加して、欧米におけるアロマセラピーの利用方法を調査する。 科学的実証に基づいた精油の利用法を提案するためアロマセラピーについてのセミナーを開く。

次年度の研究費の使用計画

実験動物の購入や、サイトカイン測定キットなどを消耗品として購入する。第1回国際アロマセラピー会議に出席するために旅費を使用する。アロマセラピーセミナー講師代として、謝金を使用する。その他の経費を、論文校正費用などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マウス喘息モデルによる精油の抗アレルギー作用機序の解明2011

    • 著者名/発表者名
      飯尾友愛、柴倉美砂子、兵田朋子、青江伯規、中川尚久、中原貴子、片岡幹男
    • 学会等名
      第58回日本臨床検査医学会学術集会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山)
    • 年月日
      2011年11月19日

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公開日: 2013-07-10  

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