本研究では、アロマセラピーに用いられる精油の作用を、マウス喘息モデルを用いて検討した。精油を喘息マウスにそれぞれ投与して、気道抵抗測定、肺胞洗浄液中の細胞分画およびサイトカイン濃度、血清IgE値、病理組織学的検査、肺組織の遺伝子発現を調べ、喘息マウスに対する精油の効果を評価した結果、喘息症状の軽減作用が認められた。特定の精油には喘息マウスの症状軽減作用があり、Th2サイトカインや粘液分泌関与遺伝子の発現抑制が関係していることが明らかとなった。本研究結果は、これまで伝統的に用いられてきた精油のアレルギー性疾患に対する作用機序の一端を解明するものである。
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