砂浜歩行の足趾筋活動およびその動態を解明するため,初年度は足部動態の詳細を把握するための三次元運動解析の計測項目をプレ実験を通じて検証するとともに砂の衝撃力を検証するための特殊な床反力計測装置の作成を行った.砂質によってはまだ床反力垂直成分においてムラが大きいがいわゆる粒子の細かい砂であれば計測可能となった. なお砂浜歩行において重要とされる足趾の筋力計測についても圧力センサーを改造した専用の機器を開発した. 最終年度では足趾筋力が砂浜歩行動態に与える影響を確認するとともに専用の砂場床反力計測装置にてその衝撃特徴を評価した.足趾筋力と砂浜歩行動態の関係については,筋力の強弱において特異な変化は見られなかった.砂場による床反力計測では砂の粒子が細かいほど衝撃吸収力は高いものの,最も筋力が必要とされるterminal stance時においては逆に床反力垂直成分および水平成分が減少するため特異な足関節底屈運動が必要となることが判明した. 今後はこれらの検証結果から発展的には個別の訓練効果のみならず障害予防の視点から高齢者への砂地ウォーキング効果の検証へ発展させることを目標とする.
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