研究概要 |
本研究では、保護者の生活習慣や認識、嗜好性などが子どもにどのような影響を及ぼすのかを検討するため、小学生および大学生とその保護者を対象に、生活習慣・嗜好性・意識についてのアンケート調査、栄養摂取状況に関する調査(簡易型自記式食事歴法質問票:BDHQ, BDHQ_10y)、身体活動量測定などを実施した。 その結果、小学生では、「スポーツに関する習い事」「間食の摂取頻度」「排便状況」「牛乳の摂取状況」「野菜の好き嫌い」「牛乳の好き嫌い」などにおいて、親子間で関連性がみられた。また、栄養摂取状況では「エネルギー摂取量」「蛋白質摂取量」「脂質摂取量」で親子間の関連性がみられるとともに、「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ビタミンB6」「ビタミンC」「食物繊維」などの多くの項目で親子での関係が認められた。 一方、大学生では「運動実施状況」に親子間で関連する傾向がうかがえた。また、栄養摂取状況においては「エネルギー摂取量」「蛋白質摂取量」「脂質摂取量」「炭水化物摂取量」では親子間で関連性は認められなかったものの、「ナトリウム」「ビタミンK」「食物繊維」では摂取量に親子間の関連性がみられた。 以上の結果より、小学生においては、食習慣や嗜好性など多くの項目について、子どもは保護者の影響を大きく受けていることが明らかとなった。それに対し、大学生のようにほぼ成人時になると、小学生ほどは保護者の影響を強く受けるわけではないものの、依然として保護者の影響を受ける生活習慣があることが示唆された。
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