ソーシャル・キャピタルは、主観的健康感や死亡率などとの関連が報告されている。運動は有効なコミュニケーション手段であり、運動を他者と行うことでソーシャル・キャピタルが高まる可能性がある。そこで本研究では、地域住民を運動支援ボランティア(リーダー)として養成し、運動自主グループに参加することによって参加者およびリーダーのソーシャル・キャピタルが高まるか検証した。その結果、運動自主グループの参加者、リーダーのソーシャル・キャピタルは一般住民と比べて、元々高いことがわかった。多くの項目においてグループ活動を通した変化は認められなかったが、リーダーとして1年間活動することでリーダーの「家族以外で健康状態が気になる人の数」が有意に増加した。今後、ソーシャル・キャピタルが低い集団・地域で当該活動が根付くのか、またソーシャル・キャピタルが醸成されるのか改めて検討する必要がある。
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