研究課題/領域番号 |
23700826
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田邉 解 筑波大学, 体育系, 研究員 (70375484)
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キーワード | サルコペニア肥満 / 筋量 / 生活習慣病 / メタボリックシンドローム |
研究概要 |
骨格筋は体重の約40%の重量を占める器官であり、運動器としての役割だけでなく、エネルギー代謝器官としての役割も果たす。骨格筋が基礎代謝の約38%を占めること、体内で最大のグリコーゲン貯蔵場所であること、および筋力トレーニングによる筋量増加がインスリン抵抗性を改善するなどという報告からも、骨格筋の代謝調節器官としての重要性が伺える。 以上のことから筋量の多少やサルコペニア肥満の進行度は生活習慣病発症に影響を及ぼす可能性があるが、生活習慣病予防のための筋量の基準については明確になっていない。そこで、本研究では20~79歳の成人男女を対象として、1)生体電気インピーダンス(BI)法により評価した筋量又はサルコペニア肥満と生活習慣病の関係性を明らかにすること、および2)生活習慣病予防のためのBI法で評価される筋量の基準を性・年代別に定めることを目的とした。本研究は、一般への普及をゴールに見据え、簡便かつ短時間で評価が可能な筋量指標の基準を定めることが特色であり、本研究の成果は、より多くの対象の生活習慣病予防と介護予防に利活用されることが期待される。 2年目である平成24年度には、目標とする約5000人のデータを収集し、目的を達成するためのデータベースを構築した。これらのデータを使用して行ったプレ分析の結果、BI法で計測した体重当たりの筋量(筋肉率)とBMIで評価したサルコペニア肥満がメタボリックシンドローム発現率、インスリン抵抗性の出現率、歩行機能低下の出現率に影響を及ぼす可能性が示唆された。次年度以降は、定めた筋量の基準について、その信頼性や妥当性を検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、20~79歳の成人男女を対象として、生体電気インピーダンス(BI)法により評価した筋量又はサルコペニア肥満と生活習慣病の関係性を明らかにすること、および生活習慣病予防のためのBI法で評価される筋量の基準を性・年代別に定めることを目的とした。2年目である平成24年度は、生活習慣病予防のための筋量の基準作成のためのデータベースを構築し、それらのデータからサルコペニア肥満と生活習慣病関連因子との関係性を検討することを目的とした。平成24年度末時点で、目標とする5000人のデータを取得でき、生活習慣病関連因子や歩行能力とサルコペニア肥満の関連性を検討できたことは、最終的な研究のアウトプットを出す上で順調な進捗状況であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2年目に構築したデータベースを基に、サルコペニア肥満を考慮した生活習慣病予防のための筋量基準を定める。ここで定められた基準について、その信頼性や妥当性を検証するための実験を行う。得られた研究成果は随時学会や学術論文等で発表を行い、基準についての議論を実施する。 また、基準の有用性や妥当性を検討するために、統計処理の結果だけでなく、有識者間での意見交換も行いながら進めることとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は基準の信頼性および妥当性を検証するためのデータ収集を行うため、補足的にデータ収集のための測定機器の購入、旅費、及びデータ入力に関して研究費を使用する。また、研究推進のための情報収集、有識者会議、及び成果発表に関する旅費、そして統計分析のために必要な消耗品購入について研究費を利用する。 なお、平成25年度への繰越額が発生した形になっているが、その金額はすべて平成25年の3月中に納品された物品の支払日が4月になったことによるものである。
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