研究課題/領域番号 |
23700828
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岩中 伸壮 金沢大学, 人間科学系, 博士研究員 (80584002)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ミオグロビン / ミトコンドリア / 骨格筋細胞 |
研究概要 |
本研究は、遺伝子導入により骨格筋細胞内のMb発現を調節し、酸素輸送担体:ミオグロビン(Mb)とミトコンドリアの相互作用、親和性、ならびに呼吸活性について検証するとともに、ミトコンドリア生合成に関わるシグナル伝達因子・抗糖尿病標的因子との関連も検証し、Mbの発現意義を明らかにすることを目的とする。 平成23年度は1、Mb過剰発現細胞株の樹立と2、Mb過剰発現細胞株におけるMbタンパク質とミトコンドリアマーカータンパク質発現の検証に取り組んだ。その結果、以下に示す研究成果を得た。1、エピトープタグであるc-mycを付加したmyc/Mb/pcDNA3発現ベクターを用いてラット由来骨格筋芽細胞(L6)にリポフェクション法による遺伝子導入を行い、Mbを安定して過剰発現する細胞株3系統を得た。2、得られたMb安定発現細胞株を用いて、ミトコンドリアマーカータンパク質を検出したところ、VDAC1、COX4発現の亢進を確認した。しかしながら、細胞株系統間におけるMbタンパク質量とミトコンドリアマーカータンパク質量の相関関係は認められなかった。よって、Mbタンパク質過剰発現により、ミトコンドリア生合成が調節される可能性が示唆されるものの、さらなる検証が必要と考えられた。 また、他にも3、共免疫沈降法を用いた電子伝達系タンパク質(e.g. COX4)とMbタンパク質の共局在の検証と4、Mb過剰発現細胞株における呼吸活性についても検証中である。 以上より、Mbが単なるO2結合タンパク質ではなく、ミトコンドリアを中心としたエネルギー代謝調節機構に関わるタンパク質の一つである可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に計画していたMb発現抑制モデルについては計画よりも遅れているが、平成24年度に計画していたMb過剰発現モデルにおける1、ミトコンドリアの呼吸活性測定、2、ミトコンドリア関連タンパク質との共局在性、3、ミトコンドリア生合成シグナルの検証の3つについては計画よりも進んでいるため、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に則り推進するが、Mb発現抑制モデルに関しては、Mb過剰発現モデルの解析とMbとミトコンドリア生合成シグナルの検証を終えた後、または可能な限り並行して推進する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
細胞培養、組織学的分析、生化学的分析に必要な薬品や物品を購入する予定である。主に、一般試薬、抗体、酵素試薬、蛍光指示薬、遺伝子関連試薬、細胞培養用試薬、標準ガス、各種測定機器用消耗品等である。 また、国内の学会での成果発表やその際の情報収集に要する旅費等を支出する予定である。
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