研究課題/領域番号 |
23700828
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
岩中 伸壮 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, ポストドクトラルフェロー (80584002)
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キーワード | ミオグロビン / ミトコンドリア / 骨格筋細胞 |
研究概要 |
骨格筋収縮時において、有酸素性エネルギー代謝の中心的役割を担うのはミトコンドリアである。ミトコンドリアへの円滑な酸素供給により有酸素性エネルギー代謝活性は維持される。ミトコンドリアへの主たる酸素供給は、筋細胞内に存在する色素タンパク質であるミオグロビン(Mb)によって行われ、平常時は筋内に酸素を貯蔵する役割を果たす。本研究はミトコンドリアとMbの発現増加メカニズムを解明することを目的とした。先ず、数種類の化合物を用いて、ミトコンドリアマーカータンパク質とMbタンパク質の発現亢進とシグナル伝達経路の探索を行った。ラット由来の骨格筋細胞を用い、5日間の分化誘導培養の後、化合物を分化誘導培地に添加し、5日間培養した。結果、Mbタンパク質発現は有意に増加した。Mb発現のシグナル伝達経路に関しては解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金沢大学人間科学系博士研究員の任期が終了し、平成24年度4月より立命館大学理工学部博士研究員として着任したことにより、平成24年度の計画である遺伝子導入実験や呼吸活性測定実験が遅れている。しかしながら、平成25年度に計画していた“Western Blot法によるPGC-1α, mTOR, SIRT1等の発現解析”についてはMb発現を増加させる化合物を用いた培養条件を探索し、確立できた。このため、次年度はミオグロビンの発現意義についての詳細な解析が進展すると期待される。よって、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
化合物によるミトコンドリアとMb発現のシグナル伝達経路を亢進・抑制し、そのシグナル解析を行うことで、平成24年度以降の計画を遂行し、細胞内エネルギー代謝におけるMbの発現意義を明らかにする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度4月より立命館大学理工学部博士研究員として着任したことにより、平成24年度の計画である遺伝子導入実験や呼吸活性測定実験の立ち上げが立命館大学では困難となった。着任先の研究分野がこれまでと大きく異なるため、実験系・研究費の使用を精査し、組み直したところ、当初高額になるはずであった遺伝子導入関連の試薬等が不必要になったため、未使用額が生じた。 次年度は細胞培養、組織学的分析、生化学的分析に必要な薬品や物品を購入する予定である。主に、一般試薬、抗体、酵素試薬、蛍光指示薬、細胞培養用試薬、標準ガス、各種測定機器用消耗品等である。 また、国内外の学会での成果発表やその際の情報収集に要する旅費等を支出する予定である。
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