研究課題/領域番号 |
23700836
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
山北 満哉 山梨県立大学, 看護学部, 助教 (40582143)
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キーワード | 最大骨量 / 思春期 / 運動 / カルシウム摂取 / 睡眠 / 生活習慣 |
研究概要 |
平成24年度は、23年度からの1年間の骨量変化について縦断的に検討を行った。平成23年度と同様に、小学4年生から中学3年生までの児童・生徒、約700人を対象に骨強度測定,および身体活動、カルシウム摂取、睡眠、骨折歴、(女子のみ初潮の有無)に関する自記式質問紙調査を実施した。また、各学校において、学校保健簿より身長、体重等の身体データを抽出した。調査の結果、有意な差はみられなかったものの、1週間あたりの運動時間が4時間以上の群はそれ未満の群と比較して1年後のSOS、およびBUAの増加率が高値を示した (SOS変化率(%):1.08 vs 0.85, p=0.08, BUA変化率(%):2.67 vs -0.68, p=0.09)。カルシウム摂取、睡眠に関しては有意な関連は示されなかった。今後は対象者数を拡大した検討が必要であると考えられる。 また、身体活動、睡眠に関する質問紙の妥当性・信頼性を評価するため、小学4年生~6年生を対象に加速度計および睡眠・覚醒判別ソフトを用いて、身体活動、および睡眠の評価を行った。 身体活動に関する質問項目については、女子において加速度計と質問紙で評価した身体活動量に有意な正の相関関係が示され (Spearmanの相関係数,r = 0.61,p=0.002)、その妥当性が確認された。男子については、加速度計の装着を遵守させるなど、今後更なる検討をしていく必要がある。再検査法による信頼性の評価については、男女共に高い級内相関係数が得られ、信頼性が確認された。 睡眠に関する質問項目については、質問紙から得た平日の基本的な睡眠項目と睡眠・覚醒判別ソフトで評価した睡眠項目との間に高い相関が得られ、本質問項目の妥当性が示された。また、再検査法による信頼性の検討においては、男女ともに、平日、休日のすべての項目において、高い信頼性が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的、研究計画どおり、1年間の縦断調査を実施し、その評価ができているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度、24年度と同様に骨強度測定、および生活習慣質問紙調査を実施する。平成23年度からのデータより、骨強度変化に影響を及ぼす生活習慣要因を縦断的に検討する。また、本研究の対象者が参加している甲州プロジェクトのデータを用いて、出生体重と小中学生期の骨強度との関連についても検討を行う。 研究成果は学会発表、および論文発表にて公表するとともに、得られた知見をまとめた冊子を作成、各学校に配布し、子どもたちの骨強度増加に役立ててもらう。
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次年度の研究費の使用計画 |
データ収集費用として、骨強度測定に必要な消耗品、および測定補助者への謝金や交通費、また生活習慣調査に用いる調査票、結果票などの印刷費や通信費等に使用する。 また、研究成果の公表に関する費用として、論文の作成に関わる諸費用や投稿料、成果発表に関わる諸費用や旅費、および各学校へ配布する冊子作成費用等として使用する。
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