アルツハイマー型認知症患者および軽度認知障害患者のうち、2年以上経過観察することのできた患者の検査データについて解析した。 CDR0.5では初診時のVSRADは2.29±1.39であるが、2年経過後に2.71±1.53と大きな値となった。CDR1、CDR2においても同様となり、海馬傍回の萎縮は年々進行した。また、MMSEの計算と想起は、経過とともに得点が低下した。さらに、CDR0.5からCDR1に移行した群と移行しなかった群のVSRADは移行群の方が初診時に有意に高い値であった。 以上のことから、VSRADは軽度認知障害からアルツハイマー型認知症へ移行するための予測因子になる可能性が示唆された。
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