研究課題/領域番号 |
23700847
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 進 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90291757)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 皮下脂肪 / 内臓脂肪 |
研究概要 |
内臓脂肪の蓄積は各種肥満関連合併症と密接な関係を示す。我々は先行研究において、内臓脂肪面積(VFA)と皮下脂肪量との関係を検討し、皮下脂肪と内臓脂肪は肥満レベルの増加に伴いパラレルに増加するが、その関係には臨界点が存在し、それを超えると内臓脂肪の蓄積が顕著になるという知見を得た。我々は、このポイントが皮下脂肪蓄積容量と関係し、内臓脂肪の蓄積に影響を及ぼすとともに、肥満関連疾患のリスク評価に利用できるのではと考えた。本研究では、皮下脂肪とVFAの間に見られる臨界点を手がかりに、皮下脂肪を利用した、フィールドでも利用可能な新しい肥満関連疾患リスク評価法を検討することを目的としている。研究目的の達成のためにはいくつかの研究課題があるが、本年度は、課題1:データ収集(性、年齢、肥満度、疾患の有無等を考慮したデータの収集)および課題2:臨界点の算出と評価値の検討(評価に有効な変数の特定)に主に取り組んだ。本研究の目的達成のためには、性、年齢、肥満度、肥満関連疾患の有無等の要因に基づいて層化した際に、解析に耐えうるサンプルサイズを満たすデータが必要となる。本年度は、連携施設の協力により200名程度のデータを取得することができた。女性のデータや隠れ肥満者のデータなど、補完すべきデータについては、今後も継続してデータ収集を行う。また、収集したデータを利用して、内臓脂肪蓄積に係わる臨界点を評価しうる変数の特定に関する分析も実施した。これに関しては、今後もデータを補完しながら継続する課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的達成のための最大の問題はデータの確保である。本研究では、性別および肥満度別分析の可能性を考慮して、300名程度のサンプルサイズの確保を計画していた。本年度、200名程度のサンプルサイズが確保できた。まだ補完すべきデータは残されているものの、今後の研究計画の目処を立てることがある程度可能となったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
データを継続的に収集し、補完していくことによって、より多くの視点から分析が可能となる。したがって、次年度以降もデータ収集を継続的に実施していく。 また、データ収集と並行して、内臓脂肪蓄積の臨界点を評価可能な変数の特定やその妥当性などについても検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度はデータ収集に係わる経費を計上していたが、連携施設の協力により、当初よりも経費が削減でき、次年度以降のデータ収集にも利用が可能となった。前述したようにデータの確保は継続課題であり、次年度以降も継続的にこれらの経費を利用していく予定である。
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