研究課題/領域番号 |
23700859
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
安藤 香織 奈良女子大学, 生活環境学部, 准教授 (40324959)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 環境配慮行動 / コミュニケーション / 記述的規範 / 双方向的影響 / 日本:ドイツ:アメリカ:中国 |
研究概要 |
本研究では、他者との環境コミュニケーションや他者の行動認知(記述的規範)が環境配慮型ライフスタイルの伝播に及ぼす影響に焦点を当てる。また文化により、それらのプロセスにどのような違いがあるのかを明らかにする。 23年度前半には、予備調査として、日本と中国(大連)において大学生を対象とした質問紙調査を実施した。その結果、中国の大学生においても環境問題に関する関心はかなり高く、深刻度認知、個人的規範などの認知変数は中国の方が日本よりも有意に高くなっていた。行動変数については、省エネ、3R行動では差が見られず、市民活動のみ中国の方が日本より高くなっていた。相関分析では、友人の実行度認知は日本と中国の両方で行動と関連が見られ、地域での実行度認知は中国でのみ環境配慮行動との有意な相関が見られた。中国の方が地域での規範を意識しやすいと考えられる。 日中での予備調査の結果を社会心理学会(9月)、及びインドネシアで開催されたThe Second International Conference of Indigenous and Cultural Psychology(12月)において報告し、内外の研究者よりフィードバックをもらった。 また2011年10月に、共同研究者であるGundula Huebner氏が来日したため、本研究に関する研究打ち合わせを行い、質問紙の内容などについて確認を行った。また奈良女子大学において’Workshop on Sustainable Lifestyles and Energies’を開催し、Huebner氏に最近の研究を報告してもらった。 23年12月からは、予備調査の結果を参考に、質問紙に修正を加え、再度日本での予備調査を実施した。その後、海外の共同研究者らと打ち合わせを行いながら、質問項目の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画では、23年度には国際比較調査の質問項目の作成、及び共同研究者との打ち合わせ、日本での予備調査を行う予定となっている。本年度には、国際比較調査の質問項目の作成及び日本と中国での予備調査を行い、さらにその研究報告を行うことができたため、当初の予定よりは若干進展している。
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今後の研究の推進方策 |
23年度に作成した質問紙を、日本語から英語、ドイツ語、中国語に翻訳し、共同研究者による確認を行う。日本、アメリカ、ドイツ、中国の共同研究者らと連絡を取り合い、国際比較調査を実施する。質問紙は、それぞれの国の共同研究者により配布してもらう。必要に応じて、研究代表者がそれぞれの国に渡航し、詳細な打ち合わせや調査の補助を行う。質問紙は、回収後に郵送で送ってもらい、研究代表者の大学でデータ入力、分析を行う。 23年度に未使用額が生じたのは、当初予定していたノートパソコンの購入を23年度に行わなかったこと、謝金等を節約することができたためである。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、国際比較調査の本調査を行うため、質問紙の印刷・郵送費、データ入力のための謝金が必要となる。国内の複数の大学で調査を実施するため、国内の共同研究者との打ち合わせ旅費、及び海外の共同研究者との打ち合わせのための渡航費に使用する。 24年度の研究経費は、請求額を減額しているため、23年度からの繰り越し分と合わせてほぼ当初の予定と同額となる。
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