研究課題/領域番号 |
23700859
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
安藤 香織 奈良女子大学, 研究院生活環境科学系, 准教授 (40324959)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
|
キーワード | 環境配慮行動 / 国際比較調査 / コミュニケーション / ペア・データ / 記述的規範 |
研究実績の概要 |
本研究では、他者との環境コミュニケーションや他者の行動認知(記述的規範)が環境配慮型ライフスタイルの伝播に及ぼす影響に焦点を当て、文化間でそれらのプロセスにどのような違いがあるのかを明らかにする。 26年度には、他者と相互に影響を及ぼし合って環境配慮行動が広まるプロセスを検討するため、大学生を対象としてペア・データ調査を実施した。対象者には2組の質問紙の入った封筒を配布し、うち1組の質問紙を親しい友人に渡して回答してもらうよう依頼した。2組の質問紙は同じ封筒に入れて回収し、ペアの組み合わせが判別できるようにした。調査は5、6月に国内の4大学で実施し、回収数は計128組(256人)であった。 ペア・データの分析方法について検討し、APIM(Actor-Partner Interdependence Model)を用いた分析を行った。その結果、省エネ行動について、ペアの友人の実行度認知が自身の実行度に影響を及ぼしていることが示された。またペアの友人との会話が多いほど友人の実行度認知が高かった。 国際比較調査の研究成果を日本社会心理学会、日本心理学会、及びアメリカのSociety for Personality and Social Psychology Annual Conferenceにおいて発表した。またBECC Japanにおいて、規範・観察が環境配慮行動に及ぼす影響の発表を行った。 共同研究者の大沼とは札幌において、Gundula Hubnerとは東京、Wesley Schultzとはカリフォルニアにおいてそれぞれ研究打ち合わせを実施し、国際比較調査の分析方法、今後の論文の執筆方針について検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ペア・データ調査について、当初の予定では25年度に実施する予定であったが、26年度に調査を行った。それに伴い、ペア・データ調査の分析がまだ完了していないため、やや遅れているとした。
|
今後の研究の推進方策 |
27年度には、ペア・データ調査の分析が未完了であるため、その分析を引き続き行う。国際比較調査、ペア・データ調査について論文の執筆を行う。アジア社会心理学会において国際比較調査の研究成果発表を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
環境配慮行動のペア・データ調査を当初25年度に実施する予定であったが、それがずれ込んで26年度の実施となったため、ペア・データ調査に関連した予算の執行が遅くなり、研究補助者雇用費、学会発表費等に未使用分が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
27年度には環境配慮行動の国際比較調査、ペア・データ調査の学会発表費として用いる。
|