研究課題/領域番号 |
23700865
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研究機関 | くらしき作陽大学 |
研究代表者 |
渡邉 照美 くらしき作陽大学, その他部局等, 准教授 (60441466)
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キーワード | 死別 / 発達 |
研究概要 |
本研究では、青年が死別により、身近な他者を喪うことによって、何を学ぶのかという点を「死別経験後の人格的発達」と捉え、量的・質的分析を用い、肯定的・否定的両側面から明確にし、死別経験後の人格的発達に関連する要因を明らかにすることが目的である。平成24年度は、以下の2つを中心に研究を実施した。 1.死の概念の発達の検討 本研究では、青年期に特に焦点を当てているが、死についての問題は、青年期のみならず、生涯を通じての問題である。そのため、幼児期から老年期までの死の概念の発達について、論文と図書(分担執筆)にまとめた。また、病気をもつことによって、死の概念に変化があるのではないかと考え、慢性疾患児と健常児の死の概念の発達の相違についても文献研究を行った。 2.死別による変化に関する質問紙調査 228名の大学生を対象に質問紙調査を実施した。死別経験者181名(79.4%)、死別未経験者47名(21.6%)であった。その中で、死別経験によって「とても変化した」と回答したものは78名(43.1%)、「少し変化があった」は85名(47.0%)、「あまり変化はなかった」は16名(8.8%)、「全く変化はなかった」は2名(1.1%)であった。また死別経験者に対して、「経験した死別について、その経験を話す機会があったとしたら、個人的に、またはシンポジウム等で話をすることは可能か」との質問を行った。その結果、「とても変化した」と回答したもののうち35.9%の28名が、「少し変化した」は35.3%の30名が話をすることに同意した。反対に、「あまり変化はなかった」は18.8%の3名、「全く変化はなかった」は0名と、変化を感じているものほど、死別経験を語ることに対して、肯定的であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
面接調査を実施する予定であったが、平成24年度は実施ができていない。しかし、面接調査協力者への面接依頼は既に終わっており、平成25年度4月から開始しているため、平成24年度分の遅れは早急に取り戻せるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、平成24年度実施できなかった面接調査を実施し、早急に分析を行う。また本研究の最終年度であるため、研究結果をまとめ、学会等で広く結果を公表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を進めていく上で、必要に応じて研究費を執行したため、当初の見込額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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