本研究では、育児観を明らかにする上での分析の対象として「父親の育児参加」を取り上げる。父親の育児については、育児行為の見直しや育児観の再検討といった作業はあまり行われていない。そこで、本研究では、父親の育児行為の具体的内容についての定義を試み、育児観の形成過程を明らかにすることを目的とした。育児雑誌・育児書を基にした分析の結果、父親の独自性を強調した関わりが「父親の育児行為」として捉えられる傾向があることが明らかとなった。また、その中で、育児とは「楽しむこと」や「父親の自己の成長の機会であること」が強調されていることが明らかとなった。
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