研究課題/領域番号 |
23700868
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
森島 美佳 信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (50369518)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | マスク / 花粉症 / 機能性 / 装着感 |
研究概要 |
本研究では、花粉症用マスクに着目し、その機能性と装着感の改善策を見出し、個人個人に最適なマスクを、マスク材料(糸および布)からマスク製品に至るまで系統的に開発することを目的としている。まずは、アンケートの実施により、花粉症用マスクの問題点を分析する。そして、それらの問題点に起因すると考えられるマスクの性能について評価計測を行い、定量的にそれらを把握する。なお、本課題では、マスクに求められる性能のうち花粉防護効果に着目して評価を行う。そして、定量化した問題点に対して改善策が施された高感性、高性能を有するマスクを開発していく。本年度において、1)花粉症用マスクに対する問題意識の調査分析、2) 花粉防塵率計測システムの試作、3)市販花粉症用マスクの花粉防護率の計測、4)市販花粉症用マスクの物性測定を行った。花粉症用マスクに対する問題意識の調査分析1)を行った結果、問題点が熱特性、気流特性、フィット性ならびに捕集効果について検討する必要があることを確認した。また、簡易型花粉防塵率計測システムの試作2) を行い、その評価3)を行った。本実験の範囲において、12枚袷ガーゼマスクに比して不織布マスクの捕集率は高い傾向を示した。また、装着状態の違いにより、捕集効果に影響を及ぼすことが実験的に明らかとなった。特に、マスク口あてシートを鼻尖を被覆せず口唇部周囲のみを被覆した場合、適切な位置で装着した場合よりも捕集効率が高い傾向を示した。口当てシートを下へシフトさせた場合、マスク口当てシートと顔面との隙間量は減少することが要因であるものと考察された。よって、マスク口当てシート被覆内さらに周囲と顔面とのフィット性が捕集性へ影響を及ぼすことが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、研究計画に従い、1)花粉症用マスクに対する問題意識の調査分析、2) 花粉防塵率計測システムの試作、3)市販花粉症用マスクの花粉防護率の計測、4)市販花粉症用マスクの物性測定を行うことができた。よって、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として、今年度行った実施項目1)~4)につづき、次の5)~13)について実施していく予定である。(平成24年度)5)安静時および母音発音時における若年者の顔面形状の特徴抽出および呼気量の計測, 6)安静時および母音発音時における若年者の顔面形状と呼気量を再現したマネキンの試作, 7)衛生マスク用花粉防護効果計測システムの開発,8)衛生マスク用花粉防護効果計測システムを用いた花粉飛散挙動の解明, (平成25年度)9)これまでの実験結果の統括, 10)花粉症用マスクの試作, 11)試作花粉症用マスクに対する花粉防護効果の計測, 12)試作花粉症用マスクの物性計測, 13)試作花粉症用マスクの装着感評価
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、7)衛生マスク用花粉防護効果計測システムの開発において、マスク被覆内および被覆外の状況をリアルタイムで測定するため、主にパーティクルカウンターとヘッドマネキンを購入する予定である。
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