研究課題/領域番号 |
23700868
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
森島 美佳 信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (50369518)
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キーワード | マスク / 花粉症 / 機能性 / 装着感 / 問題意識 |
研究概要 |
本研究では,花粉症用マスクに着目し,その機能性と装着感の改善策を見出し,個人個人に最適なマスクを材料から製品に至るまで系統的に開発することを長期的な目的としている. その基礎研究として,高い感性を有することが期待される大学生にアンケートを実施し,花粉症用マスクの問題点を分析する.そして,それらの問題点に起因すると考えられるマスクの性能について評価計測を行い,定量的に性能を把握する.なお,本課題では,花粉防護効果の定量的評価に着目する.総合して,現在市販されている花粉症用マスクに対する物性,感性の観点から問題点を明らかにし,社会適応型さらには個人適応型の最適マスクをマスク材料から試作開発していく. 本年度では,主にアンケートの大規模調査を実施した.また,2009年度に実施したアンケート調査の見直しを行った.本年度に行ったアンケートの質問内容および調査対象は,2009年度に行ったものと同様ものであり,ほぼ同様の条件である.2009年度には,H1N1型新不ルエンザが流行した年であり,衛生に対する意識が非常に高く,マスクに対する関心および問題意識が強かったものと期待される.このような背景から,マスクの症状,問題点から嗜好性を系統的に解析し,改善点について改めて考察した.さらに,2012年度の結果について,2009年度の調査結果と比較することにより,マスクに対する問題点を明確にしていく. これらの解析結果をもとに,評価システムの構築と材料の提案を行い,普遍性を有するマスクの提案していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,花粉症用マスクに着目し,その機能性と装着感の改善策を見出し,個人個人に最適なマスクを,マスク材料(糸および布)からマスク製品に至るまで系統的に開発することを長期的な目的としている.マスクに対する意識調査の結果について,テキストマイニングを用い,個人の症状,問題点,嗜好性について系統的に検討した.その結果,目がかゆい,鼻汁といった症状とともに,熱特性,水分特性に関する「蒸れる」,「息苦しい」,「眼鏡が曇る」といった問題点が,着用に対するネガティブな嗜好性に大きく影響を及ぼすことが明らかとなった.また,男女では問題点が異なる傾向を示すことが示唆された.
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今後の研究の推進方策 |
今後,アンケート大規模調査の解析をすすめていく.さらに,花粉防護効果について,実験を遂行していく.解析結果をもとに,評価システムの再構築と材料の提案を行い,普遍性を有するマスクの提案していく.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は,解析を主として研究を遂行したため,次年度へ繰越す研究費が発生した.次年度は,実験材料費,評価システムの構築費用とともに学会参加費および学会掲載料に充てる予定である.
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