本研究では、PVAの接着性とキトサンの抗菌性に着目し、両ポリマーのブレンド溶液を皮革用のバインダーに用いた場合の有用性について検討をおこなった。 塗膜の剥離を防ぐ効果は、空気プラズマ処理によって改善され、また、カビの発生や抗菌性についても、キトサン含有によって効果が期待できることがわかった。溶液の粘性も考慮すると、PVA:キトサン=6:4のブレンド比が最適であると考えられる。研究から、PVA-キトサンブレンド溶液が、良好な接合性及び抗菌性を有するバインダーとして有用であり、水の影響を受けやすく取り扱いの難しいとされる皮革に利用することで、皮革に生じる問題を防ぐことか期待できる成果を得た。
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