研究課題/領域番号 |
23700873
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (50379525)
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キーワード | 環境共生 / 住まい方 / 個人差 / 温熱環境 |
研究概要 |
8月~9月に、環境共生的住まい方の検討として、普段通りの住まい方と風速を意識するなどの省エネを考慮した住まい方をした場合をそれぞれ2日間過ごす合計4日間の実測調査を健康な女子大学生14名に実施した。測定は、室温および相対湿度、人体周囲温、クーラー吹き出し温度、風速の室内温熱環境と、冷房使用状況や窓開閉状況などの生活行動、温冷感や快適感などの主観評価などとした。クーラーの使用時間は、日常的にクーラーを使用していた被験者は省エネ考慮時には使用時間が短くなる被験者が多く、扇風機の使用が長くなる被験者も認められ、各々の特性に応じて取り組み易い方法にて省エネを意識して過ごしていた。更に、許容できる室温の検討実験として、健康な女子大学生12名を対象に、気温29℃~33℃の間の3条件下に曝露し、生理心理反応を測定した。29℃で最も快適側の申告が得られ、暑がりは約30℃、寒がりは約31℃以上で不快側の申告となると推測された。 2月~3月に夏期と同様の普段通りの住まい方と省エネを考慮した住まい方をした場合をそれぞれ3日間過ごす合計6日間の実測調査を健康な男子大学生9名と女子大学生9名に実施した。更に、許容できる室温の検討実験として実測調査と同じ女子大学生9名に、気温15℃~24℃の間の4条件に設定した環境下に60分間曝露し、生理心理反応を測定し、寒い時期の許容できる室温の把握や、実生活にて省エネを考慮するとどのような取り組みが取り組みやすいかを検討した。また、健康な女子大学生7名に「ホットカーペット」、「ホット膝掛け」、「ファンヒーター」、「カーボンヒーター」、「ストーブ」の効果的な使用方法の検討実験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
夏期に予定していた実験および実測調査を実施し、住まい方の検討を実施する事ができた。また、冬期にも実験および実測調査を実施する事ができたが、3月末まで実施していた為、この結果の詳細に関しては、現在検討途中である。
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今後の研究の推進方策 |
夏期に関しては、これまでに実施した実験および実測調査、アンケート調査を総合的に検討する。 冬期に関しては、本年度末に実施した効果的な暖房器具の使用の検討実験および許容できる室温の検討実験、自宅にて省エネを考慮した住まい方をした場合の室内温熱環境および住まい方の実測調査に関して詳細な検討を行う。 得られた結果より、効果的な個人差を考慮した環境共生的住まい方を検討し、補足実験・調査や検証実験・調査を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度、産前産後の休暇および育児休暇を取得した為、1年間研究を実施する事ができなかった。その為、研究期間を延長する為に、次年度に使用額が生じている。 これまでに得られた結果を検討し本研究をまとめるにあたり補足検討として、実測調査や実験を実施する予定である。その為の測定機器や消耗品の購入や被験者代などに使用する予定である。
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