研究課題/領域番号 |
23700874
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研究機関 | 共立女子短期大学 |
研究代表者 |
渡辺 明日香 共立女子短期大学, 生活科学科, 准教授 (60352746)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ストリートファッション / ファッション / サブカルチャー / クールジャパン |
研究概要 |
本研究の目的は、ストリートファッション定点観測の調査・分析をふまえて、日本のファッションの特異性と海外発信可能性について検証を行うことにある。本年度は研究全体のベースとなる以下の研究を行った。 第一に、日本のファッションに関する国内外の文献研究および、サブカルチャー研究の再検討を行った。これらの結果を博士論文「ファッションの概念変化とポスト・ファッションの可能性-ストリートファッションに関する実証研究を事例として-」ならびに、共立女子大学総合文化研究所紀要論文「コレクション・システムの変容 ポワレからTGCまで」として公表した。 第二に、写真の整理・選別作業として、1970年~2010年までの蓄積されたストリートファッションの画像約15万点のなかから、各年代のファッションを反映していると判断しうる写真約2,000点の抽出作業を終え、併せて、データベース作成にふさわしい、検索項目等の検討を行った。 第三に、定点観測調査・実地撮影では、デジタルカメラとメディア一式を購入し、原宿・渋谷・銀座・代官山の各エリアの定点観測および、被写体の撮影(1地点あたり150枚程度)の調査・研究を遂行した。この成果は、ホームページに公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度計画のうち、写真の整理・選別作業のみ、やや遅滞が生じている。1970年~2010年までの蓄積されたストリートファッションの画像約15万点のなかから、各年代のファッションを反映していると判断しうる写真約4,000点を抽出する予定であったが、2,000点に留まった。その理由として、15万点の写真から抽出する作業が、想定以上に困難であったことが挙げられるが、2,000点の抽出作業の過程で、作業のノウハウを得ることができたため、今後は残り2,000点の抽出作業を急ぐとともに、デジタルデータ化の迅速化を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度には、以下の4項目の研究を進展させる予定である。1.1970年代~2010年代までの写真のスキャナ入力ならびに分析 平成23年度に選択した写真2,000点に加え、新たに抽出予定の2,000点と合わせた4,000点の写真をスキャナ入力した上で、エリア別、月別に分類を行い、被写体のアイテム、色彩、コーディネート、スタイル、ヘアや小物等について集計し、ストリートファッションの実態調査を行う。2.定点観測調査と撮影およびファッション・イベント等の現地調査 定点観測調査の継続実施に加え、ファッション・イベントの実証的な研究を行う。東京ガールズコレクション、コスプレサミットほか、ファッション雑誌や専門店主催のイベント等を調査し、概要を把握する。4.学会での口頭発表 平成23年度に実施した日本のファッションに関する評価に関する研究の論点を整理し、ストリートファッションの定点観測による分析をふまえた上で、サブカルチャーとしてのストリートファッションの受容について言及したい。また、「クールジャパン」を批判的に検討し、日本のファッションのいかなる部分が、海外に受容され、その評価がどのように変容したかの考察を行い、関東社会学会、ファッションビジネス学会等での口頭発表を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、以下の研究費の使用計画を予定している。1.物品費 文献資料、定点観測用の実費2.旅費 現地調査として、東京ガールズコレクション(3月・9月開催)、名古屋コスプレサミット(8月)での現地調査を行ない、実態の把握を行うための交通費3.人件費・謝金 写真の選別作業とスキャナ入力を予定しており、作業には学生アルバイトの起用を計画しているため、その謝金を充当する。
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