研究課題/領域番号 |
23700887
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
岩崎 裕子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (60511194)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | テクスチャー特性 / 官能評価 / 混合系 / 筋活動測定 |
研究概要 |
ゾル-ゲル混合状態の食物に関する力学的特性値の的確な測定法を検討するため、今年度は、ゾルとゲルの混合割合や、ゲルの性状が異なる混合系試料について検討を行った。1.混合割合を変化させた混合系試料の食べやすさの検討を行うため、固形物(ゲル)として4mm角の大根を用い、ゾル部分としてとろみ調整食品を添加した出汁を用いた。それらゲルとゾルの混合割合を3:7、5:5、7:3と変化させた試料について、力学的特性の測定、官能評価を行った。力学的特性(テクスチャー特性)については、圧縮率、圧縮速度など測定条件を検討した。結果、ゲルの混合割合が増す程、テクスチャー特性の硬さ、付着性が高値となり、凝集性は低値となった。また、官能評価において、ゲルの割合が最も少ない試料が、やわらかくまとまりはよいが、べたつくと評価された。テクスチャー特性の測定は、官能評価と関連性の深い値を得る測定条件であることが重要だと考えられ、本研究においての測定条件は圧縮率80%、圧縮速度は10mm/sが適当であることが示唆された。2.新たに取り入れた二軸型クリープメータでの摩擦試験、圧縮方法の異なる2種のテクスチャー測定機器による比較を行うため、特性の異なるゲル化剤4種を用い4mm角の微細ゲル試料とした。また、それらをゾルと重量比1:1で混合したゾルーゲル混合系モデル試料を調製し、力学的特性の測定、官能評価を行った。官能評価の結果、ゲル単体でべたつき、飲み込みにくいと評価された試料は混合系状態でもべたつき、飲み込みにくいと評価され、ゲル性状の相違が混合系試料の食べやすさにも影響することが明らかとなった。また、摩擦測定、新規テクスチャー特性の測定法検討を行うため、ゲル単体について行い、ゲル特性の相違を測定することができたため、今後混合系試料の測定法を検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食塊の特性を把握するために実際の食塊からゾルとゲルそれぞれの特性を把握することを考えていたが、分離することが困難であるため、モデル系を調製することとした。摩擦測定において、測定条件および解析法の確立が困難であるため。
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今後の研究の推進方策 |
23年度に引き続き、ゾルーゲル混合系試料の摩擦測定および圧縮方法の異なる2機種でのテクスチャー測定を行い、不均質な食形態の測定方法の確立を行っていく。また、食塊のモデル系試料としてゲルの形状(球状・立方)および特性の異なる混合系試料を調製し、力学的特性、官能評価に加え、試料を飲み込むまでの筋活動測定を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費:舌圧測定器\250,000、器具\50,000材料費:\50,000旅費:学会発表のための出張費等\100,000謝礼:\50,000
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