研究課題/領域番号 |
23700896
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研究機関 | 福島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
柴田 公彦 福島工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10369928)
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キーワード | NMDA |
研究概要 |
近年の分離・分析技術の向上などにより、動物組織におけるN-メチルD-アスパラギン酸(NMDA)の存在について報告されるようになった。しかしその機能や代謝など不明な点が多く興味が持たれる。これまでの研究で、投与されたNMDAがテストステロン量を増加させることが観察されている。本研究では、1)その再現性を確認すること、2)NMDAの投与条件の違いがテストステロン量に及ぼす影響を明らかにすること、3)NMDAの動態と組織に与える影響の把握を目的とした。前年度に開発したLC/MSを用いる高選択的なNMDA分析法を用いて、ラット組織を分析したが、内因性のNMDAは確認できなかった。しかし、NMDAを経口投与することで、特に内分泌組織へNMDAが蓄積することが明らかとなった。またそれらの組織では、NMDAを基質にすることが知られているD-アスパラギン酸オキシダーゼ活性も上昇していた。また本年度は、NMDAの抗ストレス試験についても実施した。精神的なストレスモデルとして拘束ストレス負荷マウスを用い、NMDAを経口投与した。ストレスにより生じる胸腺萎縮に対してNMDAが萎縮抑制効果を示すか確認したが、有意な変化は観察されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、平成23年4月からの本補助事業で使用を予定していた実験室および実験機器・器具等が大きな被害を受けた。したがって平成23年度当初に、その修復や修理が必要であったこと、さらに震災後は混乱状態にあったことなどから、正常な研究活動が行えるようになるまでには半年程度要した。そのため平成23年度に実施予定であった一部の研究項目を、平成24年度に実施してきた。結果として、平成24年度に実施予定であった一部の研究項目(病態モデルラットを用いたN-メチル-D-アスパラギン酸の有効性試験III)は手をつけることができず、次年度に行わざるを得ない状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は当初本年度までの計画であったが、上述した理由により一部の研究項目(病態モデルラットを用いたN-メチル-D-アスパラギン酸の有効性試験III)が実施することができなかったため、補助事業期間を1年間延長する。ここまでの成果により対象化合物の膵臓での生理機能が期待できることから、この点に関連した病態モデルラットを用いたN-メチル-D-アスパラギン酸の有効性試験IIIを今後実施していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
病態モデルラットを用いたN-メチル-D-アスパラギン酸の有効性試験IIIの実施経費に充てる。特に当該実施機関には動物の飼育施設がないため動物の飼育は外部委託になるため、この経費が大きな割合を占める。
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