本研究では、非経腸栄養法モデル動物を用いて、非栄養素流入時の絨毛萎縮機構と機能低下時からの栄養素再投与に伴う小腸機能回復機構について解析を行った。非経腸栄養時の絨毛萎縮機構には細胞増殖に関連するmTOR経路の活性低下と細胞周期関連遺伝子(Cyclins)の発現低下が関与する可能性が示唆された。また、栄養素再投与に伴い、小腸の主機能である栄養素の消化・吸収に関連する遺伝子のほとんどがその発現を増大させ、その効果は再投与する栄養素の種類(糖質、脂質、アミノ酸)や栄養素の質(グルコース、フルクトース、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸、グルタミン、アルギニン)の違いにより大きく異なることが明らかとなった。
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