研究課題/領域番号 |
23700914
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
福村 智恵(荻布智恵) 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 講師 (80336792)
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キーワード | 生活習慣病 / 栄養 |
研究概要 |
生活習慣病の発症には遺伝因子と環境因子が関与すると考えられているが、近年、“栄養環境”が関与するという“生活習慣病胎児期起源仮説”が注目されている。これは、胎生期の不適切な栄養環境が、遺伝子発現の制御系にエピジェネティックな変化を起こして生活習慣病の素因を作り、さらに、生後の成長過程で不適切な環境因子に暴露されると疾患発症が加速されるという仮説である。本研究では、生後のみならず、胎生期を含めた、生涯に渡る適切な栄養環境の制御が、生活習慣病の発症をいかに制御するかについて検討を行った。まず、栄養環境の違いが成長後の生活習慣病の易感受性にどのように影響するかについて、正常動物を用いて検討した。正常動物を普通食、高脂肪食で飼育し、次世代をさらに各々の栄養環境で飼育し、生活習慣病の病態マーカーがどのように変化するかを比較検討した。その結果、普通食に比べ、高脂肪食で飼育した動物の方が血糖値、血清脂質レベル等の高値を示し、糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病の病態へより進行していることを確認した。また、仔の成長に各段階において、糖代謝や脂質代謝などに関連する、既知の生活習慣病関連遺伝子発現の変化を検討した。その結果、高脂肪食で飼育した動物において、発現量に差がみらる遺伝子があり、成長の各段階におけるその差の変化を確認した。本年度に得られた結果を今後の実験指標として活用し、研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に基づき、研究を遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの成果に引き続き、研究実施計画に基づき研究を遂行していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
3年間の研究となっており、初年度は他の年度と比べると、直接経費の配分割合が大きかったため、次年度へ繰り越した金額が出てしまったが、次年度も今年度と同様に解析を進めていくため、繰り越し分も研究に必要な金額として執行する見込みであ。
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