• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

12/15-リポキシゲナーゼ阻害をターゲットとした食品による動脈硬化症予防の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700916
研究機関岡山県立大学

研究代表者

川上 祐生  岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (30453202)

キーワードリポキシゲナーゼ / 食品
研究概要

酸化修飾を受けた低密度リポタンパク質(LDL)はアテローム性動脈硬化発症の直接的な原因となる。12/15-リポキシゲナーゼはアラキドン酸に酸素1分子を添加して、ヒドロペルオキシ酸と呼ばれる過酸化脂質を生成する酵素で、LDLに含まれるコレステロールにエステル結合した脂肪酸にも直接酸素を添加できるという広い基質特異性を持つ。12/15-リポキシゲナーゼはLDLの酸化修飾に重要な役割を果たしていることが知られている。したがって、12/15-リポキシゲナーゼの働きを制御することができればLDLの酸化が抑えられ、動脈硬化発症の抑制の可能性が期待される。本研究では、12/15-リポキシゲナーゼを制御できる新たな食品素材およびその活性成分の探索として中国茶に注目し、これに含まれる12/15-リポキシゲナーゼを阻害する成分を同定することを目的に研究を行った。
昨年度までの研究から、本酵素阻害をターゲットとしてスクリーニングを行った数種類の中国茶の中で、本酵素を阻害することが知られるエピガロカテキンなどのカテキン類の含量が少なく、比較的低い濃度で阻害できる中国茶として青山緑水に焦点を当てて研究を進めた。青山緑水の抽出物から得られた本酵素を阻害する3つのピークのうち、本酵素を最も強く阻害したピーク1を逆相HPLCにより単離した。これを各種2次元NMRおよび高分解能エレクトロスプレーイオン化質量分析などの解析を行った。その結果、本成分は新規モノテルペン配糖体であることが明らかとなり、Liguroside Aと命名した。このLiguroside Aは、光照射によりピーク3に含まれる新規成分に変換され、これをLiguroside Bと命名した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、数種類の中国茶の中からカテキン含量の比較的少ない中国茶の1つである青山緑水に注目して研究を進めた。HPLCを用いた抽出物の分画により、青山緑水に含まれる白血球型12-リポキシゲナーゼ阻害の活性成分として新規のモノテルペン配糖体であるLiguroside AとLiguroside Bの構造を決定した。

今後の研究の推進方策

本年度の研究において、青山緑水中に含まれる12/15-リポキシゲナーゼを阻害する2つの新規化合物の構造を決定した。これらの新規化合物を高含有する抽出物あるいはこれら新規化合物を大量に単離し、12/15-リポキシゲナーゼを発現している細胞による脂質の酸化に対する影響を検討する。さらに、青山緑水に含まれる活性成分の生体への吸収代謝への影響などを検討するとともに、動脈硬化モデル動物を用いた研究を行っていくことで、動脈硬化発症予防効果を検討する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Two New Monoterpene Glycosides with Inhibitory Effects on Leukocyte-type 12-Lipoxygenase Activity from Qing Shan Lu Shui Tea2013

    • 著者名/発表者名
      Hideyuki Ito, Akemi Otsuki, Hitomi Mori, Peng Li, Mai Kinoshita, Yuki Kawakami, Hideaki Tsuji, Ding Zhi Fang, Yoshitaka Takahashi
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 18 ページ: 4257-4266

    • DOI

      10.3390/molecules18044257

  • [学会発表] 白血球型12-リポキシゲナーゼに対する中国茶葉抽出物の阻害効果2013

    • 著者名/発表者名
      川上祐生、大槻朱美、平野詩織、木下麻衣、山本登志子、辻英明、木本眞順美、山下広美、伊東秀之、 Ding Zhi Fang、高橋吉孝
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20130324-28
  • [学会発表] 中国茶に含まれる白血球型12-リポキシゲナーゼ阻害成分の解析2012

    • 著者名/発表者名
      川上祐生、大槻朱美、平野詩織、木下麻衣、下田一花、山本登志子、辻英明、木本眞順美、伊東秀之、Ding Zhi Fang、高橋吉孝
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20121214-20121216
  • [学会発表] Inhibitory effect of Chinese tea on leukocyte-type 12-lipoxygenase activity2012

    • 著者名/発表者名
      Akemi Otsuki, Shiori Hirano, Mai Kinoshita, Ichika Shimoda, Yuki Kawakami, Toshiko Suzuki-Yamamoto, Hideaki Tsuji, Hideyuki Ito, Ding Zhi Fang, Yoshitaka Takahashi
    • 学会等名
      Bioactive Okayama 2012
    • 発表場所
      Okayama
    • 年月日
      2012-09-13

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi