本研究は,食餌の量と組成を同一のまま摂食時刻のみ変化させ,時間栄養学の視点から栄養素の生体内利用について検討した。1日3回のうち1食を非活動期に摂取すると,体重や内臓脂肪量に差はなかったが食後の筋肉グリコーゲン貯蔵量が増加せず,血中中性脂肪は高値を示した。良質たんぱく質のカゼインを活動期最初に摂取すると鉄の門脈血中濃度が増加し,活動期終盤に摂取すると筋肉グリコーゲン量が増大する日内リズムが認められた。摂食パターンの違いによって摂取した栄養物の代謝動態が変化し,時間帯によって栄養摂取の役割や効果が異なる可能性を明らかにした。
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