平成25年度の予算を使用して実験を実施することができなかったので、平成26年度に持ち越して使用することになった。 当初は、血圧調節機構について検討する予定だったが、実験内容を変更し、遺伝子の発現量を分析することとした。遺伝子解析の基礎となるハウスキーピングジーンのActbとGapdhが中等度の亜鉛欠乏もしくは食餌摂取量の制限でどのような影響を受けるのかを検討するために、腎臓中のこれら遺伝子の発現量を調べた。 3週齢のSprague-Dawley系雄ラットを各群10匹ずつになるように、対照群(Control)、中等度亜鉛欠乏群(ZD)そして食餌摂取量制限群のPair-Fed群(PF)に分け、対応する飼料とイオン交換水を与えて飼育し、各種組織を採取した。腎臓を皮質と髄質に分け、Bio-Rad社製のQuantitative real time RT-PCR(リアルタイム定量PCRシステム)およびTaq-Man probeで測定した。各群間の比較はFisherのPLSDで検定し、危険率は5%とした。 結果は、髄質のGapdh発現量はControl群に比べて、ZD群とPF群が有意に減少していた(それぞれ、P<0.05)。髄質のActb発現量には3群間に有意な差は見られなかった。髄質のActb発現量はControl群に比べて、ZD群とPF群で有意に減少していた(それぞれ、P<0.05)。皮質のActb発現量も3群間に有意な差は見られなかった。
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