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2013 年度 実績報告書

牛乳中の体液保持因子の解明と中高年の熱中症予防のための飲料創生

研究課題

研究課題/領域番号 23700931
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

石原 健吾  椙山女学園大学, 生活科学部, 准教授 (70329647)

キーワード水分 / 電解質 / タンパク質 / 体液 / 熱中症
研究概要

【背景と目的】脱水状態でスポーツドリンクを摂取しても1~2時間後には排尿によって再脱水状態に戻ることが知られている。高齢者においては口渇感を感じにくくなることから、この再脱水を予防する飲料の開発が重要であると申請者は考えた。既に市販されている経口補水塩は体水分保持作用に優れているものの、ナトリウム濃度が高いために、中高齢層が安心して頻用できるものではない。
【研究機関全体を通じて実施した研究の成果】申請者はまずラットを用いた脱水および体水分保持評価モデルを構築した。さらに牛乳、豆乳およびそれらのタンパク質を含有する飲料に体水分保持作用を見出した。牛乳および豆乳タンパク質を分画して得られたフラクションの体水分保持作用を比較したところ、特定のフラクションのみに強い体水分保持作用が存在するわけではなく、タンパク質全体として体水分保持作用の約50%を説明することができることを明らかにした。
【最終年度に実施した研究の成果】最終年度において、牛乳の電解質のみを含む溶液を調製し、その体水分保持作用を評価したところ、このナトリウム・カリウム・カルシウムを主成分とする溶液が牛乳の体水分保持作用の約50%を説明することができることを明らかにした。牛乳とスポーツドリンクのナトリウム濃度は同程度であるために、牛乳の高い体水分保持作用はナトリウムとタンパク質の相乗効果であることを示した。このことはスポーツドリンクにタンパク質を添加することによってナトリウム含量を増やすことなく体水分保持作用を増強できることを意味する。また乳タンパク質溶液の投与後には、血漿アルドステロン濃度および血漿アンジオテンシン濃度の上昇が認められた。これらのホルモンが血漿量を維持する作用を有するものであり、乳タンパク質の体水分保持作用と合致する結果である。
以上のように乳タンパク質が体水分を保持する作用を持つことを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Body fluid retention and electrolyte balance by a formulated drink based on the electrolyte composition of milk.2013

    • 著者名/発表者名
      Kengo Ishihara, Yoshiho Kato
    • 学会等名
      Int. Sport. Exerc. Nutr. Conference
    • 発表場所
      NewCastle, UK
    • 年月日
      20131217-20131219
  • [学会発表] 脱水モデルラットにおける糖質・タンパク質溶液の体水分保持作用の比較検討2013

    • 著者名/発表者名
      橋本里穂、伊藤こみち、伊藤千賀、恒川春香、石原健吾
    • 学会等名
      日本栄養・食糧学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20130524-20130526

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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