研究課題
最終年度に実施した研究の成果として,高架式十字迷路試験を用いて,脳卒中易発症性高血圧自然発症ラットSHRSPにおける情動機能,特に若齢期における不安関連行動の異常を認めた。また,SHRSPに対する抗酸化薬の長期投与は脳卒中発症時期には影響しないものの,生存日数を著名に延長することを明らかとし,SHRSPの脳卒中進展に酸化ストレスが関与することを明らかとした。研究期間全体を通して実施した研究の成果として,悪性脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(M-SHRSP)および正常血圧対照ラット(Wistar Kyotoラット: WKY)を用いて,体重,血圧,臓器重量,血清生化学値,糖質代謝などの基本的な形質の解析と、M-SHRSPに対する糖質代謝・脂質代謝への介入による脳卒中病態への影響についての検討を行い,M-SHRSPは,WKYに比べ,体重,精巣上体周囲脂肪・皮下脂肪重量が低値であること,インスリン分泌機能低下による軽度の耐糖能異常と,低コレステロール血症,低トリグリセリド血症などの脂質代謝異常を有することを認め,やせ型の脳卒中モデル動物として有用であることを認めた。インスリン,スルホニル尿素薬,ビグアナイド系薬,チアゾリジン誘導体などの投与による糖質代謝への介入では脳卒中発症を予防することはできなかったが,フィブラート系薬など脂質降下薬投与および,高脂肪食投与などの脂質代謝への介入は,有意に脳卒中発症を予防することを明らかとした。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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