本研究は,「肥満」と「やせ」,それぞれ異なる形質をもつモデルラット(SHRSP fatty,M-SHRSP)を用いて,それぞれの表現型にあわせた脳卒中予防戦略を構築することを目的として実験を行った。 M-SHRSPに対する脂質異常症治療薬(フィブラート系薬)の長期投与に,脳卒中予防効果と延命効果を認めた。また,M-SHRSPに対する高脂肪食の給餌に著明な脳卒中予防効果を認めた。本研究により「やせ」の形質をもつ脳卒中に対しては,栄養学的な改善および脂質代謝への介入により,脳卒中発症を予防し,発症後の脳卒中病態の進展を抑制する可能性が示唆された。
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