本研究ではメタボリックシンドロームの進展予防・治療に向けて、遺伝子発現制御を担っているマイクロRNA(miRNA)のメタボリックシンドローム病態への関与について調べた。 肥満・高血糖・脂質代謝異常に加え、腎障害が認められるSHRSP.ZFでは、非肥満対照動物Leanと比較して、miR-29a と miR-378における有意な発現低下が認められ、とくに腎繊維化過程に関与しているmiRNA発現が変化していることが明らかとなった。また、肥満で増加する脂肪組織におけるmiRNA発現変化についても検討したが、脂肪組織においてはmiRNAよりも他の因子、下流の蛋白発現等の影響が大きい可能性が示唆された。
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