研究課題/領域番号 |
23700940
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研究機関 | くらしき作陽大学 |
研究代表者 |
桐野 顕子(石川顕子) くらしき作陽大学, 食文化学部, 助教 (10566574)
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キーワード | カロテノイド / HPLC |
研究概要 |
食生活で加齢黄斑変性を予防するという視点から、食品に含まれる有効成分の定量法の確立ならびにデータベースの構築を行う。平成23年度は、有効成分であるルテインとゼアキサンチンを含むカロテノイド化合物の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の分析条件の確立を行った。平成24年度は、前年度に達成できていなかった研究項目である野菜などの食品試料の抽出方法の確立および食品試料のHPLC分析を行った。HPLC分析の際、野菜などの植物性食品に含まれるクロロフィルが妨害物質となることが明らかとなったため、当該物質の除去方法を検討した。 その結果、試料を100%エタノールにより抽出したのち、アセトン-ヘキサン(4:1, v/v)にて分配し、上層をケン化処理に供した。けん化は、60%水酸化カリウムを添加し、70℃の水浴で30分間保温することによって行った。けん化した抽出液にヘキサンと飽和食塩水にて分配し、ヘキサン層をHPLC分析に使用した。抽出処理から分析に至る一連の過程におけるカロテノイド化合物の回収率は、95%以上であり、分析方法として十分に耐え得るものである。 さらに、確立された分析方法を用いて、野菜に含まれるカロテノイド化合物の分析を行った。日本人がよく摂取するホウレン草、小松菜、青梗菜、ピーマン、かぼちゃ、ニラ、紫蘇、カイワレ大根、トウモロコシなどについて分析を行った。現在検討した試料の中では、カボチャに加齢黄斑変性症の有効成分が多いことが明らかとなっている。今後は、さらに多くの食材について分析し、データベースを構築する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の研究計画では、平成24年度は、食品に含まれるカロテノイド化合物の含量を示すデータベースを完成させる予定であった。しかしながら、平成24年度は、前年度に達成できなかった研究内容(HPLC分析における妨害物質の除去、目的とする化合物の回収率が90%以上となる抽出方法の確立)に時間を要したため、データベースの作成については未完成である。現在分析を終えている試料は野菜類のみであるので、果物類についても検討する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
食品に含まれるカロテノイド化合物の含量を示すデータベースの作成が途中段階であるので、多種類の食品試料を分析に供し、データベースを完成させる。次いで、当初の計画の通り、ルテインおよびゼアキサンチン含量の多い食品について、調理操作による成分の挙動について検討する。調理操作後の成分の変化については、質量分析(MS)、核磁気共鳴法(NMR)などの機器分析により慎重に確認する。 以上の研究を統括して、データをとりまとめる。すなわち、加齢黄斑変性症の予防の観点から、有効成分であるルテインおよびゼアキサンチンを効率良く摂取する食品とその調理法についてまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
HPLC分析に要する実験器具、試薬、食品試料、調理器具に係る費用を計上する。また、謝金として機器分析(MS,NMR,IR)等の費用を計上する。旅費に関しては、研究の進捗状況の確認や実験に伴う研究打ち合せ、研究に関する情報収集のための学会参加に係る費用を計上する。その他、研究の取りまとめに使用する消耗品費(文具等)、印刷・文献複写費を計上する。
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