研究課題
本研究の目的は中学校の理科教科書を、先行する誤概念研究の観点から分析し、問題点を洗い出し、困難を乗り越える教材を開発することである。中学校理科物理分野最初の単元である光学に関して検討を行い、F. Goldberg & L. McDermott、またI. Galili & A. Hazanによる光学に関する誤概念調査の集積をもとに、Tutorials in Introductory Physics、Physics by Inquiry、Tutorials in Physics Sense-Making、Realtime Physics、Interactive Lecture Demonstrations等の先行アクティブ・ラーニングカリキュラムを下敷きに、我が国の中学校カリキュラムを履修してきた(そして多くの誤概念や困難を抱える)大学生に対する光学のアクティブ・ラーニングカリキュラム、授業形式とワークシートを開発し、実践を行い、アクティブ・ラーニングとしての有効性を評価した。授業評価の結果、効果とともにいくつかの問題点が明らかとなり、ワークシート教材の改訂を行い、再実践をさらに行った。これにより授業離脱者の数を大幅に減らすことができた。授業離脱者数は初年度は34名中7名であったが、次年度は40名中4名となった。また、授業効果の客観的な指標となる規格化ゲイン(同一のプレ-ポストテストにおける点数の伸び平均÷可能な伸びしろ)の値は0.40となり、アクティブ・ラーニングにおける典型的な値を保持することができた(用いたテストはLight and Optics Concept Evaluationである)。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Proceedings of the 12th Asia Pacific Physics Conference (APPC12)
巻: JPS Conf. Proc. 1, 017025 ページ: 017025-1, -4
10.7566/JPSCP.1.017025