研究課題/領域番号 |
23700954
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
杉原 伸宏 信州大学, 産学官連携推進本部, 准教授 (10324245)
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キーワード | 産業・技術教育 |
研究概要 |
本研究は、ライフイノベーションの推進に必須である、治験等の領域特有の法律やルール、競争的資金の獲得、知財戦略構築等の知識を併せ持ち、実際に医学系の研究開発をマネジメントできるメディカル・リサーチ・アドミニストレータ(MRA)を育成するための手法開発を目的とする。 研究開始後2年度目までに信州大学等での医学領域の研究開発マネジメント事例を参考に、MRA人材育成に関する課題を抽出し、人材育成法の構築を進めている。 第一ステップ「医療現場からの医薬品・医療機器等の開発ニーズ発掘」では、発掘されたニーズに対する特許調査、市場規模予測等のマネジメント手法の構築を進めている。第二ステップ「医療現場からの開発ニーズと企業の技術シーズのマッチング」では、製品化に至った事例等を分析し、マッチング手法の構築を進めている。第三ステップ「医療関係者と企業との共同開発」においては、これまでに締結した、臨床研究や治験を見据えた条項を盛り込んだ共同研究契約等をまとめ、簡便かつ迅速に契約を締結させる手法の構築を進めている。併せて、各省庁等の競争的資金獲得等を支援し、その手法をまとめている。また、国際レベルでの知財戦略事例も、調査・解析を行い、戦略樹立手法の構築を進めている。第四ステップ「倫理審査及び安全性審査の上で行われるヒトを対象とした臨床研究」では、利益相反マネジメント、被験者の健康被害の補償負担を組み込んだ契約手続等で得られたノウハウをまとめ、手法の構築を進めている。第五ステップ「治験 薬事申請」ではCRO等の活用等について引き続き調査している。第六ステップ「認可 販売」では、製品化事例を引き続き解析している。 MRA人材に対してインセンティブを与える仕組みも引き続き検討している。またAUTM AsiaやMEDICA2012、スイス・チューリッヒの医療機器クラスター等での情報収集等も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メディカル・リサーチ・アドミニストレータ(MRA)を育成するための手法の開発を目指して、現在までに信州大学等での医学領域の研究開発マネジメント事例を参考に、MRA人材育成に関する課題を抽出し、人材育成プランを構築しつつある。そのため「おおむね順調に進展している」とした。 具体的には、第一ステップ「医療現場からの医薬品・医療機器等の開発ニーズ発掘」、第二ステップ「医療現場からの開発ニーズと企業の技術シーズのマッチング」、第三ステップ「医療関係者と企業との共同開発」、第四ステップ「倫理審査及び安全性審査の上で行われるヒトを対象とした臨床研究」、第五ステップ「治験 薬事申請」、第六ステップ「認可 販売」における調査・解析の、各手法の構築が順調に進んでおり、それらを基にした人材育成法の構築も進んでいる。また、海外の先進事例等の調査も進めており、情報の集約が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度においては、第一から第六ステップに関する事例調査・解析と、それをまとめた人材育成プランを構築する。学内でのMRA人材候補者の増員を可能な限り図り、OJTでのノウハウ習得を実践する。これにより人材育成・輩出の好循環サイクルが生み出され、以後の育成体制を堅固なものとする。最終的に、医学領域の研究開発マネジメント人材育成手法を発信する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、平成24年度当初は計画していたが所要のため参加を見合わせた米国NCURA年次総会(本研究推進上必要な情報等については、別途予算で参加した学内関係者からの報告で補完できたため、大きな問題はなかった)の参加旅費の繰り越し分を含め、メディカル・リサーチ・アドミニストレータの育成手法の開発に必要な調査・分析、及び国内外の先進事例等の情報収集等を推進するための物品費、旅費等に、研究費を使用する。 特に本研究で構築を進めているMRA人材育成法の裏付けとなる情報収集を、海外先進事例を中心に行い、手法の検証を行う。
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