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2011 年度 実施状況報告書

小中連携を意識した科学技術史をベースとする数学的活動の教材開発に関する実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700955
研究機関京都教育大学

研究代表者

渡邉 伸樹  京都教育大学, 教育学部, 准教授 (10362584)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード科学技術史 / 数学的活動 / 教材開発
研究概要

本研究では,先行研究や自らの研究成果をもととし,小学校における科学技術史(数学の文化史)に着目(特に幾何領域に着目)した小学校高学年と中学校1・2年のそれぞれの"数学的活動"の具体的な教育内容・教材を開発する。そして,実際に教育実践などを行うことからその妥当性を検証し,最終的には小中連携を意識した"数学的活動"の具体的な教育内容・教材(科学技術史をベースにした)を提示しようと考える。本年度は,まず科学技術史(数学の文化史)の中で「日時計」,「絵画」に焦点をあてて研究を行った。「日時計の数学」では,小中連携を意識した小学校高学年の日時計の数学として赤道型日時計の教育内容,中学校1・2年の日時計の数学として地面水平型日時計の教育内容についてそれぞれ科学技術史(日時計の歴史)と数学的活動(日時計作製)をとりいれた教育内容の開発を試みた。また,「絵画」の数学では,中学校の1・2年を対象に絵画の数学として,遠近法(射影幾何)の教育内容を開発し,実際に教育実践を試みることからその妥当性までを検証した。具体的には,中学校2年4クラスの生徒を対象としたものであり,内容は,遠近法の歴史を知り,遠近法の原理を透視版などを利用することから理解し,その原理を数学的に解釈し,逆に数学を使って遠近法を作図するといったものである。この一連の実践の結果,多くの生徒は数学的活動を行うことからその数学的な内容を理解し,またその科学的意義を理解することができ,科学技術史をベースとする数学的活動を含んだ教育内容に数学教育的な意義があることが示唆された。併せて,小学校の絵画の教育内容の開発のために,1校の小学校の子どもを対象に縦断的調査の3年目の描画表現を調査を行い,2年目までの子どもの絵画認識の縦断的な発展の特徴の一端を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は,「小中の教育内容の連続的な連携を意識し,そしてその中でも日常や社会に関わる数学的活動の内容として,数学の文化,社会的価値をも理解できる科学技術史(数学の文化史も含む)を関連させた,現在の子どもや現場の教員が必要とする教育内容・教材開発」である。とくに,「日時計」「地図」「絵画」に着目している。本年度までに,小学校高学年・中学校1・2年の科学技術史(数学の文化史)をベースとし,数学的活動を含み小中連携を意識した「日時計」の教育内容をおおまかに開発できた。また中学校1・2年の「絵画」の教育内容を開発し,実践で検証も行い,一定の妥当性まで示唆することができた。

今後の研究の推進方策

研究の目的を,小学校における科学技術史(数学の文化史)に着目(特に幾何領域に着目)した小学校高学年と中学校1・2年のそれぞれの"数学的活動"の具体的な教育内容・教材を開発し,そして,実際に教育実践などを行うことからその妥当性を検証し,最終的には小中連携を意識した"数学的活動"の具体的な教育内容・教材(科学技術史をベースにした)を提示しようと考えているため,本年度に開発できなかった,小学校高学年,中学校1・2年の「地図」,小学校高学年の「絵画」などの教育内容を開発しようと考える。また,開発した教育内容をできる限り教育実践を通してその妥当性を検証しようと考える。

次年度の研究費の使用計画

主な使用計画としては,まず,教材開発(地図の数学,絵画の数学他)及び教育実践に使用する予定にしている。また,成果発表(ICME12(Korea),HPM2012(Korea),数学教育学会(日本)他)に使用する予定にしている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 学校数学における"数学の文化史"に関する教材開発(その2)2012

    • 著者名/発表者名
      渡邉伸樹
    • 雑誌名

      京都教育大学教育実践研究紀要

      巻: 12 ページ: 43-48

  • [学会発表] Education of "Division of Fraction" in Japanese elementary school2012

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Nobuki
    • 学会等名
      Gesellschaft fur Didaktik der Mathematik
    • 発表場所
      Padagogische Hochschule Weingarten
    • 年月日
      2012年3月7日
  • [学会発表] 小学生の空間認識の変容について その12012

    • 著者名/発表者名
      渡邉伸樹
    • 学会等名
      数学教育学会
    • 発表場所
      東京理科大学
    • 年月日
      2012年3月27日
  • [学会発表] 教員養成系大学における小中連携を意識した算数・数学教育ができる教員の養成について2011

    • 著者名/発表者名
      渡邉伸樹
    • 学会等名
      数学教育学会(招待講演)
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011年9月30日
  • [学会発表] 小学校高学年におけるAbCD-mathの実践に向けて2011

    • 著者名/発表者名
      渡邉伸樹
    • 学会等名
      数学教育学会
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011年9月29日

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公開日: 2013-07-10  

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