本課題は,タイトルに示すように「理科・防災教育の充実」を目指し,学校教育や日常生活の枠組みを越えた知識と行動力を要する内容の一つであると考えられる『強震動(地震の強い揺れ)とそれによって引き起こされる災害』に対する理解を深め,擬似体験を通じた効果的で印象に残る教具教材と教育啓蒙手段の開発検討を行うことと,園・学校と研究者の連携による教育実践活動を行うことであった。 本年度は,当初より低コスト(教材教具開発には,再利用品を活用するなど)で取り組んでいくことを掲げてきた結果,予定よりも予算にゆとりができため,1年間の研究期間の延長を行った年度であった。従って,本年度は,新たな取り組みよりも,これまでのデータ・情報の集約化,国外への成果公表や課題継続へのスムーズな移行・準備期間としての研究活動を主として行っていった。特に,研究継続への活動として,防災教育実践の場を北部九州から他地域へ展開するための足掛かりとなるネットワーク構築が実施できたとともに,教育現場での他地域での実情を知ることもできた。また,教員養成課程として,少数ではあるが,間接的に平成26年度新規教員採用者を本課題協力者として活用し,地元気象台等との連携を通じた教員採用者向けミニ研修を行うなどにより,防災教育の意識高揚にも繋げることができ,別の視点による効果を上げることができた年度であった。なお,年度末に海外への成果公表を今年度も試みたが,想定外の事故により渡米が叶わず今回もできなかった。従って,本年度延長期間分の予算の約11%を返却することとした。
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