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2011 年度 実施状況報告書

AR技術を活用したインタラクティブな量子線教育ツール

研究課題

研究課題/領域番号 23700963
研究機関香川高等専門学校

研究代表者

天造 秀樹  香川高等専門学校, 電子システム工学科, 講師 (90353333)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード放射線教材 / 拡張現実感技術
研究概要

本研究の目的は、放射線シミュレーションソフトウエアに拡張現実感(AR)技術による新しい表現手法を導入し、学習者の試行を重視した体験・問題解決型の安価な放射線を理解するための科学実験に関する革新的な学習教材ツールを開発することである。開発と並行して科学体験イベントなどの学習者や医療など他分野にわたる放射線の研究者らからの意見を収集するといったフィールドワークによって開発を適宜進めてきた。具体的には、EGS4の計算値から粒子の反応時間を取得し、カスケードの時間発展機能を本ソフトウエアに実装した。学習者が最適な描画速度を提供できるようにターゲット材料と入射量子線の種類、エネルギーと画面解像度からカットオフエネルギーを自動で設定できるようにした。これらの機能により、学習者は経過時間とともに粒子のカスケード散乱の発展を観察できるようになった。 前述の機能を実装し、平成23年度11月に福岡で実施された「サイエンスマンス」において理科学体験イベントを実施し、本教材の理解が確かかどうか、特に小中学生が誤解しやすい個所をアンケートにより調査した。その結果、カスケード散乱により低エネルギーになっているにもかかわらず、量子線の数が増加したため、遮へい能力が無いと誤解している学習者もいた。教育効果や学習者の興味を検証するために学習者が何度も試行錯誤した回数や計算条件を収集して、統計集計できる機能を充実させる。また、重粒子線治療センターで用いられる放射線治療のような医療分野の放射線研究者らからの意見を収集することで応用の可能性を調査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

拡張現実感技術を使い、ブロック内部の放射線の散乱の様子を観察できるソフトウエアを実装した。さらに科学体験イベントでの教材として活用させるためにブロックの種類、入射エネルギー、数などのパラメータを決定することができた。

今後の研究の推進方策

科学体験イベントにより前述の新たな課題を発見した。透過度を設定してカスケード散乱によるエネルギーの減衰を表現することとした。加えて、現在は平行ビームのようにガンマ線がブロックに入射するように設定しているが、実際の線源では放射線源から等方に放射線が出ているという事実と混乱し、理解しづらい子どもが多くいた。この放射線源の可視化に対する対策として、本年度は放射線源にも拡張現実感技術を用い、表現することで誤解を無くすよう改良を加えることとした。

次年度の研究費の使用計画

放射線源のモジュールを開発する。無線とマイコンを使い、動作させる。教材としての資料作りも行う。同時に海外にも発信するため、研究成果とその教材を英語化する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] An Interactive Augmented Reality System to Support Comprehension of Physical Phenomena2012

    • 著者名/発表者名
      Ayako Yano, Kayo Mouri, Hiroyuki Ikegami, Hideki Tenzou, Chisato Mouri
    • 学会等名
      1st International Symposium on Technology for Sustainability - ISTS2011
    • 発表場所
      KMITL, Bangkok, Thailand
    • 年月日
      2012年1月29日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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