研究課題/領域番号 |
23700966
|
研究機関 | 独立行政法人大学評価・学位授与機構 |
研究代表者 |
林 隆之 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (30342629)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 研究評価 / 研究のインパクト |
研究概要 |
本年度は、当該プロジェクトの初年度であり、今後に分析を実施するための理論的検討およびデータの整備を行うとともに、一部のデータ分析を試行した。研究活動の分析を行うためには研究成果のデータが必要となる。その中でもビブリオメトリクス手法による分析を行うためのデータ基盤の整備が必要である。当初の本プロジェクトでは独自のデータ整備を行う予定であったが、別途、研究分担者として関与している科学技術振興機構の研究プロジェクトが本年度に新たに採択され、そこにおいてWeb of Scienceの論文データの整備を行うこととなり、その作業を開始した。また、ビブリオメトリクス手法のみならず近年は英国のResarch Exellence Framework(REF)などでも「インパクト」が研究成果の新たな指標として用いられるようになっている。このような状況をふまえ、これまでのインパクト指標やインパクト評価の妥当性に関する先行研究のサーベイを行うとともに、海外動向や海外での指標の調査を行うとともに、日本の大学評価における評価結果のデータを基礎に試行的分析を行い、提出されやすいインパクト指標の傾向などの分析を行った。この結果については学会発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ整備については当初想定していた作業とは異なるデータ基盤が活用できる可能性があることから、それら研究プロジェクトと共同して行うことで本研究の効率的・効果的推進を図っている。また、研究実施者が所属機関において開発に関与している大学データベースによる公開情報などを用いることで今後、より効果的な分析が行えると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き理論的検討やデータ整備を行うとともに、得られたデータから分析を行う。組織構造の観点については、論文の共著や研究費の共同研究者から、研究グループをクラスター化して特定する。研究グループの大きさ、研究グループを構成する人々の属性(所属、国籍、研究分野、論文産出の継続性から見られる研究経歴など)の多様性を指標化する。特に、大学内での研究グループと大学間をまたぐ研究グループの比率や、両者の学際的な構成の程度を分析し、国際的に比較し、日本の特質を明らかにする。知的構造については、先行研究による学際性の指標などを用いて、学際的な研究分野・研究領域、新たに論文が増えている新規領域などを特定し、その形成への関与や、参入状況・速度の国際的な比較を行う。さらに、学際領域や新規領域に参入している研究グループの組織構造の特徴をあわせて分析する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究費は分析を行うためのデータの入手、論文などの文献資料の入手、学会発表の旅費に用いる。
|