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2012 年度 実施状況報告書

郷土芸能伝承のための連動に着目した技能の抽出・可視化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700977
研究機関岩手県立大学

研究代表者

松田 浩一  岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 講師 (70325926)

キーワードすり足 / 地域伝統舞踊 / 圧力センサ / 角速度センサ
研究概要

本研究では,地域伝統舞踊の基本動作における技能の可視化について取り組んでいる.地域伝統舞踊では,感覚的な言葉や身振りで伝承を行うため,その程度や具体性が指導者間でも異なり,学習者にとっても共有しにくい場合があり,多くの時間をかけて修得していく必要がある.本研究では,指導者の見ている技能の要素を明らかにし,定量的に技能の違いを明らかにすることを目指している.
地域伝統舞踊における「すり足」動作を対象として指導者の着目点を調査したところ,体重移動とそのタイミングにポイントがあることが分かった.すり足の一連の過程において,圧力センサを足底部の拇指球と踵に付け,角速度センサと同時に足の動作を取得したところ,指導者と学習者において,すり足速度の変化に伴って動きに差が出てくることが分かってきた.指導者は,速度変化があっても同じような動作ができているにも関わらず,学習者は乱れが生じていた.この違いについては,主観で観察した結果であるが,パターンに周期性があることからアルゴリズム化できる可能性がある.
また,角速度センサと圧力センサはお互いを補完する情報としての活用が期待できることが分かってきた.すり足動作において,動きの大きな部分では角速度の情報が分かりやすく,足が接地していて動きの小さな部分では圧力センサによる情報が有効である.また,ピンポイントでセットした圧力センサであっても,角速度センサ体重移動の過程を推定できる可能性があることが分かり,動きのタイミングと合わせてみることで,すり足動作の定量化の可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新たに圧力センサの利用によるデータ取得を試みたが,デバイスの入手や利用方法のノウハウの獲得に時間を要し,また,被験者の本業の優先のため,データ取得のスケジュール調整が困難となり,実験が後ろ倒しとなったため.

今後の研究の推進方策

指導者の技能を集中して記録・分析することを目指す.すり足動作には,状況・感情の変化に伴い,速度や動きが変化することが分かっている.そのため,さまざまな状況を設定し,速度の違い,速度が変化するとき,といった使い分けによる違いを取得する.
指導者の技能の分析を行いながら,学習者のデータを取得し,その違いについても検証し,また,その違いを学習者に提示することでどのような変化が与えられるかも確認したいと考えている.

次年度の研究費の使用計画

開発システムを貸し出して利用することを考える.そのため,ノートPCおよびカメラ・センサシステムを一式構築する.
また,学会発表・論文投稿を目指す.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 踵運動の周期性に着目した歩行動作評価法の一検討2013

    • 著者名/発表者名
      佐々木拓
    • 学会等名
      情報処理学会第75回全国大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20130306-20130308
  • [学会発表] 圧力センサを用いたすり足動作の状態分析のための基礎的検討

    • 著者名/発表者名
      仁昌寺沙紀
    • 学会等名
      日本図学会東北支部2012年度第1回講演会
    • 発表場所
      岩手県盛岡市

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公開日: 2014-07-24  

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