研究課題/領域番号 |
23700979
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
北澤 武 東京未来大学, モチベーション行動科学部, 准教授 (80453033)
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キーワード | ブレンディッドラーニング / mラーニング / テスト観 / モチベーション / テスト接近・回避傾向 / タブレット端末 |
研究概要 |
本研究では、前年度の知見をもとに、大学情報教育を対象としたブレンディッドラーニング環境に携帯電話を対象としたテスト配信システム(以下、テスト配信システム)を開発し、評価を行った。評価の観点として、大学生のテスト接近・回避傾向(鈴木 2011)に着目し、配信テストに対するモチベーションや知識定着度について分析を行った。 具体的には、授業終了後、テスト配信システムを用いて定期的にテストを配信し、配信されたテストの実施状況やテスト配信システムに関する質問紙などについて、実験参加者のテスト接近・回避傾向に着目した比較分析を行った。1回につき5問、計10講義分のテスト配信を行った結果、テスト接近傾向は90.5%,テスト回避傾向は86.2%の実施度であったことから、授業時間外学習の支援として有効である可能性が示唆された。さらに、テスト接近傾向はテスト回避傾向よりも、配信テストの正答率が高く、1回につき5問のテスト配信では問題数が少ないと認識し、かつ、他の授業でもテスト配信システムを実施して欲しいという割合が大きいことなどが分かった。一方、テスト問題の表示や問題数の検討や授業に対する意欲、理解度との関連分析などが課題となった。 次に、mラーニングのツールとしてタブレット端末が着目されていることから、これを用いたテスト配信システムの効果について追究した。多肢選択、穴埋め、多肢選択と穴埋めの混合の3種類のテスト形式の問題を作成し、これらの出題形式がテストの動機づけにどのような影響を及ぼすかについて、大学生のテスト接近・回避傾向に着目した分析を行った。結果、テスト接近・回避傾向に関わらず「多肢選択と穴埋めの混合」は意欲や正答率が高く、内容の理解や知識定着についても高い認識であったことから、タブレット端末を利用したテスト配信は「多肢選択と穴埋めの混合」のテスト形式が有効であると分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の研究成果を踏まえた新たな研究計画を作成するとともに、ブレンディッドラーニング環境によるmラーニングを実験的に構築することができた。また、実験はシステムの不具合が生じることなく、計画どおり評価を行うことができたため、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の知見と課題を踏まえ、mラーニングとしての新たなツール(多様なタブレット端末、スマートフォンなど)による効果検証を実施していきたい。更に、モチベーションの向上や知識理解の向上を目指したテスト形式やテスト問題数の妥当性について追究したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
設備備品費(分析用パソコン):300千円、消耗品費(ソフトウェア):240千円、国内旅費:300千円、外国旅費:500千円、謝金等(研究補助、外国語論文の校閲):100千円、その他(印刷費、研究成果投稿料):100千円
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