研究課題/領域番号 |
23700981
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
稲垣 忠 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (70364396)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 情報教育 / 授業設計 / 指導方略 / 教員研修 / ICT |
研究概要 |
本研究では、児童生徒がICTを活用しながら情報を集め、吟味・編集し、目的意識をもって相手に伝える「情報活用型授業」の指導方略モデルと教員研修パッケージを開発する。新学習指導要領における知識・技能を活用する力、課題を探究する力を育成する上で、個別の興味関心に応じた情報収集や、他者との協同による情報編集、伝え合いをICTは支援することができる。具体的には以下の3点を明らかにする。初年次のそれぞれの目標に対する取り組みは以下の通りである。1)学習者の情報活用行動の分析:情報活用型授業では、ネットワーク環境において学習者が個別に情報を収集したり、協同で集めた情報の比較検討、編集・発信を行う。児童1人1台の環境やグループによるICT活用場面を構築し、学習者の情報行動を端末上と教室のビデオ記録を併用して、個人及び協同場面での課題点を抽出する。→フューチャースクール等、1人1台の環境が実現している学校の訪問及び授業観察を行った。タブレット端末を用いて宮城県仙台市内で実証実験をするためのモデル事業を展開し、次年度に向けた協力体制を確立した。2)教師の指導方略のモデル化:学習者の情報の集め方、グループの話し合い方、発表場面など、情報活用に関するそれぞれの場面において教師は適宜助言、指導を行っている。複数の教師の指導場面における振る舞いを観察、収集し、情報活用のプロセスごとに分析する。→学校訪問とともに文献収集の結果、指導方略モデルとともに、授業デザイン用のワークシートを開発した。3)研修パッケージの開発:授業構想用ワークシートと、事後検討用のリフレクションプログラムを作成し、パッケージ化する。パッケージは研究会、研修会等で活用するとともにWebサイト上に広く公開し、活用促進を図る。→Webサイトのプロトタイプを開発し、既存の授業設計に関する知見を活用しやすいように整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標1)学習者の情報活用行動の分析に関しては、情報活用を中心とした授業観察を行い、特に小学校社会科の番組活用に関する分析を行うことができた(論文投稿中)。目標2)教師の指導方略のモデル化に関しては、学会発表とともに、授業デザイン用のワークシートを開発することができた。目標3)研修パッケージの開発に関しては、Webサイトのプロトタイプを開発し、既存の授業設計に関する知見を活用しやすいように整理した。
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今後の研究の推進方策 |
目標1)学習者の情報活用行動の分析については、学習者用の端末を導入し、実証実験校の規模を拡大し、図書の活用など他の情報活用場面についての分析を引き続き行う。目標2)教師の指導方略のモデル化については、開発したワークシートの理論的背景を整理した上で、研究会報告等を行う。目標3)研修パッケージの開発については、複数地域で教員研修を実施し、その結果をもとにパッケージの開発を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
・物品費に関しては、昨年度、端末の技術的な課題の検証に留まったことから、本年度は端末の購入を行う(40台程度)。・旅費に関しては、主に国内の学校訪問調査に用いる。・人件費・謝金は、研修会の補助アルバイト、講師・インタビュー調査協力用の謝金に用いる
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