研究課題/領域番号 |
23700981
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
稲垣 忠 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (70364396)
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キーワード | 情報教育 / 情報活用能力 / 教員研修 / 授業設計 |
研究概要 |
「情報活用型授業」とは,情報の読み取り方やまとめ方,伝え方に着目した授業である。2年目である本年度は、「情報活用型授業デザインシート」を開発した。通常の学習指導案を代替するものとして、学習者の情報行動をデザインする要素として「情報」「道具」「協働」「評価」の4要素の設計を行う「コア・アクティヴィティ欄」を設けた。その下段に授業の流れをR.ガニェの9教授事象をベースに学習者の学習活動に置き換えた活動項目を「情報の収集」「情報の編集」「情報の発信」の3段階に配列することで授業の流れを記入できるようにした。加えて、各要素を記入する際、情報活用を意識して検討しやすいように30項目からなる「ヒント集」を用意し、参照しながら設計できるようにした。 授業デザインシートを用いた教員研修を実施した。仙台、長崎、宮城、鳥取、つくば、群馬、横浜の7カ所で実施することができた。研修プログラムは、会場により時間の幅は異なるが、次の3段階で実施した。1.講義(講義形式で情報活用型授業について説明し,情報の集め方,まとめ方,伝え方それぞれの段階について実践事例,関連教材を紹介する)2.授業案検討(グループに分かれ、教科・単元を決め,授業案を検討し,授業デザインシートに記入する)3.報告(各グループの成果を発表し,授業デザインの工夫点等を交流する) 以上のデザインシートの開発・研修実施と平行して、特に児童1人1台の情報端末を所持している学習環境における情報活用型授業のデザインに関する知見を得るため、仙台市内の5つの小学校にて実証研究を行った。貸与した端末および、情報活用能力の育成を目的とした教材の活用を取り入れた授業実施を依頼した結果、特に情報の収集段階を対象にした授業記録を収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教員研修プログラムの開発に関してはプロトタイプの開発および研修の実施までが実現している。一方で実践授業の収集は行っているものの、リフレクションを含めた指導方略の整理が未実施であり、これまでに収集した授業実践とともに、研修の成果を整理していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
教員研修に関しては何地域からかすでに実施依頼を受けていることもあり、本研究で開発したプログラムの実証を引き続き進めていく。平行して、実践授業および研修の際のシートから収集した指導方略を整理し、現在のデザインシートの妥当性を検証し、研究成果としてまとめていくことが今後の課題である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研修実施に必要な物品の購入にあてるとともに、授業および研修内容のビデオ分析、学会発表の旅費等に充当する。
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