研究課題/領域番号 |
23700982
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
林 容市 法政大学, 文学部, 講師 (40400668)
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キーワード | チーム・コンピテンシー / 教授方略 / 自己効力感 |
研究概要 |
平成24年度は,23年度の検討の結果得られた「コミュニケーションに対する自己効力感の増大が期待できる授業」の内容を踏まえ,リーダーシップの発揮や主体的なグループ・チーム活動の発現・充実に有効な教授方略について,観察・調査を進めた。具体的には,スポーツ実技や健康づくりを目的とした身体活動の方法を学習する過程でグループワークを活動の主体に設定し,リーダー役の学生を中心とした活動を実践させた。リーダー役の学生は毎回の授業ごとに変更させ,担当する週のグループワークに際し,メンバーからの意見の取りまとめ,グループ活動のマネジメント,スポーツの実践時における対戦グループとのルール変更等の折衝担当,などを担うこととした。また,各授業終了後にはグループ内での反省に基づいて,リーダー役の学生の活動に対する相互評価を行わせ,グループ活動におけるリーダーの役割に関しての課題を提示するなどの作業を行わせた。この一連のグループ活動は,リーダー役を担った学生がグループでの協同作業を通じて課題を達成するために必要な主体的活動を学習することを目的に設定した。 この学習活動の効果を検証する事を目的に,授業におけるグループ内での「他者との連携・協力」活動の発現を観察するためのビデオ映像の分析を試みた。その結果,授業での活動の効果と判断できる事例は確認出来たが,使用機器の数量的な制限により,分析可能な活動実例数が十分ではなかったことから,最終年度においてさらなるデータの収集と分析が必要であると判断された。 本年度の結果を踏まえ,課題の最終年度となる平成25年度は,24年度までの成果を確認すると共に,それらの内容を検討することを通じて,最終的な目標であるチーム・コンピテンシーを有した人材育成を可能とする新たな教授方略の提案を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度の研究計画の変更および達成度の遅れを受け,24年度前半はエフォートを増大して研究に取り組んだ。しかしながら,所属先の業務と平行しての作業であったことも影響し,年度を通して判断すれば,研究開始初年度の遅れを完全に回復するまでには至らなかった。これらを理由として,本年度も達成度としては「やや遅れている」との評価が妥当な状況であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には,初年度の遅れを受けて24年度に変更した研究計画を継続して実践する予定である。昨年度の推進方策に記した「他機関における調査・検討」をより充実させ,研究課題の遂行を促進させる予定である。また,これによりデータ分析に関する労力の増大が予想されるが,人件費等への予算を増額させて対応する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記推進方策にも記載した様に,研究計画の実践状況を鑑み,当初の予定よりもデータ処理に係る人件費の増額を予定している。また,測定機器,関連消耗品に関しては,平成23,24年度にほぼ購入が済んでいるが,特に最終年度前半の研究遂行状況によっては,新たに必要な消耗品(映像分析用ソフト等)の購入に研究費を充てる場合も想定している。
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