今後の研究の推進方策 |
今後の研究では,大枠としては当初の計画通り,本研究で設計・実現した知的学習支援手法をより実践的な場面に適用し,創造的なスキル育成に貢献する方法を模索することを目的とする.これにあたっては,今年度の研究において,本手法における学習に失敗する学習者が観察されたことから,学習活動における負荷を軽減するための,さらなる追加的な支援手法の導入を行う.この追加的な支援においては,学習課題に従事している間,学習者の回答入力を学習者自身に診断させる過程を設け,失敗への気付きを促すことを検討している.これにあたっては,学習対象のモデルを作ることで対象を理解するという産出課題の学習支援を実現した先行研究[1,2]を参照し,その知見を利用することを計画している.そして,より実践的な作問課題場面を設定し,例の模倣を通じて産出課題を学習することで,創造的スキルをともなう課題のパフォーマンスが促進されるかを検証する.[1] 中池竜一, 三輪和久, 森田純哉, 寺井仁: 認知科学の入門的授業に供するWeb-basedプロダクションシステムの開発, 人工知能学会論文誌, Vol. 26, No. 5, pp.536-546 (2011)[2] 三輪和久, 寺井仁, 森田純哉, 中池竜一, 齋藤ひとみ: モデルを作ることによる認知科学の授業実践, 人工知能学会論文誌, Vol. 27, No. 2, pp.61-72 (2012)
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