研究課題/領域番号 |
23700992
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研究機関 | 産業能率大学 |
研究代表者 |
荒木 淳子 産業能率大学, 情報マネジメント学部, 講師 (50447455)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | キャリア意識 / 社会人 / 大学生 / 交流実践 |
研究概要 |
本研究の目的は、大学生と社会人若手のキャリア意識向上を目的とする交流実践の開発と評価である。平成23年度は実践のデザインを検討するため、大学生と社会人のキャリア意識向上を目的としてNPOなどが行っている交流実践について、事例調査を行った。具体的には、「ハタモク」「ハナジョブ」といった社会人と大学生が対面で交流し、働く目的やキャリアについて話し合う場に参加するとともに、運営者へのインタビューを行った。また並行して、大学を卒業して数年以内の若手社会人6名に対し、大学での経験や学び、今の仕事やキャリアに対する考えなどをインタビューした。 交流実践事例に関する調査では、大学生と社会人が直接交流する場合に、大学生と社会人との間に情報量の差があり過ぎるため、大学生と社会人との対話を深めることが難しく、その結果、自らの仕事やキャリアについて振り返るといった深い体験が生まれにくいことが示唆された。このことから、大学生と社会人若手それぞれから、自らの仕事やキャリアに対する深い語りや省察が引き起こされるような場を設計する必要があること、そのためには、大学生と社会人が単に仕事について語り合うといった活動だけではなく、協働で従事できる活動をデザインする必要があると考えられる。また、これまでキャリア意識向上を目的とする実践の多くは、キャリアに関わる研究者や実務家などが行ってきたが、いずれの実践も評価は十分にはなされていない。 そこで平成23年度は、大学生と社会人とのキャリア意識向上を目的とする新たな交流実践の設計と評価について検討を行った。研究成果については日本教育工学会第27回全国大会でポスター発表を行い、実務家やワークショップ・デザイナー、研究者などからのフィードバックを得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では平成23年度に、交流実践の計画だけでなく試行をする予定であった。しかし、社会人と大学生との募集が遅れ、ゲストの日程調整が上手くつかなかったため、試行実践を平成24年度に持ち越すこととした。試行実践は、今年度7月7日に行う予定である。その後本実践を秋に行い、結果の評価・分析を行う。評価・分析を今年度中に行う点については、当初の計画と同じである。
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今後の研究の推進方策 |
社会人と大学生との交流実践について、平成24年度7月7日に試行実践を実施し、評価・分析した結果を9月の日本教育工学会で発表する予定である。 試行実践では、異なる領域で活躍する社会人3名をゲストに招き、若手(20代)の社会人6名と大学生6名によるワールドカフェを実施し、評価・分析を行う。更に試行実践の結果を踏まえ、実践を改善し、平成24年度秋に本実践の実施、評価・分析を行う予定である。実践は複数回行い、データを蓄積していく。実践を評価・分析した成果は、2013年2月に日本教育工学会論文誌に査読付き論文として投稿する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、試行、本実践とその評価・分析を行い、国内学会(日本教育工学会)で成果を発表する予定である。このため、実践に参加するゲスト、アルバイトへの謝金と、学会参加のための旅費が必要となる。
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