研究課題/領域番号 |
23700993
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研究機関 | 静岡産業大学 |
研究代表者 |
永田 奈央美 静岡産業大学, 情報学部, 講師 (50582293)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | e-ラーニングコンテンツ |
研究概要 |
本研究の目的は、複合的表象手段によるe-Learningコンテンツの構成法を探究することである。図と文章の意味的関係性とシナジー効果を分析すること、音声付加コンテンツの構成法を検討し、シナジー効果を高めるコンテンツ構成法を見出すこと、動画コンテンツの文脈構成法を検討し、動画コンテンツのストーリ性と文脈間の意味的関係性を分析することを3つの下位目的とし、研究を遂行している。 23年度は、図と文章の意味的関係性によるコンテンツの分析法と構成法を検討することを目標とした。フレームの中で用いられている図と文章に焦点を当て、コンテンツ特徴チャートを設計し、フレームの特徴による系列パターンとフレーム系列集合の構造パターンを抽出する手法を提案した。実験用コンテンツを開発・実践し、本手法の妥当性と有効性を検証し、提案した分析手法を自動化した。本年度の目標であった、コンテンツ分析ツールの開発を行なう事ができた。その後、開発システムの評価実験を行ない、システムの性能向上を行なった。以上の研究成果を論文にまとめ、情報システム学会へ論文を投稿した(現在は査読中である)。また、教育システム情報学会研究会、情報システム学会全国大会、国際会議IADIS-eLearning2012で研究発表をした。 23年度の目標を達成することが出来たため、24年度の目標である音声付加コンテンツの分析法と構成法を検討するための予備実験の実施と、本実験の準備を行なう事ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
23年度は、図と文章の意味的関係性によるコンテンツの分析法と構成法を検討することを目標とし、研究を遂行した。実験用コンテンツを開発・実践し、本手法の妥当性と有効性を検証した。計画通りに、実験が進行できたため、データ分析及びシステム設計書作成を順調に行うことができた。システム設計書を基に、システム開発を行い、本研究で提案したコンテンツ分析手法を自動化させることができた。このシステムを20名の被験者を対象として評価実験をし、問題点と改善点を明確にした。そこから、システムの再構築を行い、コンテンツ分析ツールの開発が完了した。コンテンツ分析ツールを開発するという23年度の目標を達成することができた。さらに24年度に行う予定であった、システムの評価実験と音声付加コンテンツの開発、予備実験の実施までを23年度に行うことができた。これによって24年度は、研究成果を論文にまとめ、教育システム情報学会研究会、国際会議(IASTED-WBE)へ投稿する事ができそうである。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、音声付加コンテンツの分析法と構成法を検討し、動画を組み込んだ文脈構成法を検討することを目標とする。情報技術・科学技術の多方面の分野から実験用コンテンツを開発し、実験結果の妥当性と有効性を検証する。さらに、文章と音声の意味的関係性による「フレーム構造分析手法」の手続きを整理し、有効性と妥当性を検証する。文章と音声のシナジー効果を測定し、フレーム構造分析ツールを開発する。動画コンテンツの文脈位置効果を測定し、機能的文脈分析ツールを開発する。研究成果を論文にまとめ、国際会議(IEEE-ICALT、IASTED-WBE)で発表する。 25年度は、データベースを構築し、知識の共有・再利用の仕組みを検討することを目標とする。前年度までに得られた知見を基にデータベースを構築する。コンテンツの質保証として、実際に開発・利用されたコンテンツの効果を測定するための手段となるそれによって、コンテンツ構成に関わる知識の共有・流通システムに指針を提供する。研究成果を論文にまとめ、国際会議(AACE-e-Learning、AACE-CELDA等)で発表する。また、国内の学会誌(日本教育システム情報学会論文誌または日本教育工学会論文誌)へ論文を投稿する。3年間の研究成果を整理し、海外の学会誌(JCAL:Journal of Computer Assisted Learning)へ論文を投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度の研究成果を整理して、論文を執筆する予定である。国内外の研究発表における旅費に利用したい。また、動画コンテンツを開発するために必要なソフトウェアを購入したい。
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