研究代表者らは,今年度の課題として,利用を促すデザインインタフェースの実装,データマイニング技術に基づく意思決定支援法の問題配信アルゴリズムへの応用可能性検証,導入手続きの簡略化と環境設定文書の作成,ソースコードの可読性向上をオープンソース化へ向けての課題と技術的課題としながら,複数現場での運用実験により各種機能の洗練を図った.以上今年度から着手した課題と共に,昨年度からの継続課題として,メール自動生成,配信用サーバ開発・動作環境の構築,小規模実験からのサーバ負荷や動作状況の調査を行った.同時に,昨年明らかとなったMoodleとの連携可能性についてさらに調査を進めた.まず,年度当初から,協力学生を数名集い,利用を促すデザインインタフェースの実相開発に着手した.CakePHPと呼ばれるPHPフレームワークを採用し,MVCモデルに基づいて可視性・拡張性を考慮しながら各処理を実装した.ここでの取り組みにより,オープンソース化に向けて大きな成果が得られたと考えられる.関連して,仕様書ドキュメントの作成を行った.主には,導入手続きの簡略化と環境設定文書の作成を目的とした作業であり,取り組みの結果,ソフトウェアが提供する外部・内部仕様が明確なものとなった.昨年度においてプロトタイプシステムは完成し,試験運用可能な状態にあった.システムの改良と並行させて試験運用を行い,利用履歴情報を獲得した.専用のデータマイニングソフトウェアを活用しデータ分析を行った結果,項目反応理論に基づく問題配信アルゴリズムの有効性を見出すことができた.メール自動生成,配信用サーバ開発では,Javaアプリケーションのバージョンアップを行い,Windows環境と既存メールサーバ環境を利用した配信を達成し,eラーニング環境を手軽に構築可能とした.Moodleデータベース構造を完全に把握し,本成果と連携可能とした.
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