決して新しくはない「つながり」という言葉の理解が、今日ほど厄介な時代はない。本研究では、主に技術雑誌の言説分析を通じて、戦後のアマチュア無線文化に見られた指向性を(1)グローバル指向、(2)メカニカル指向、(3)インティメイト指向に大別した上で、70年代のCATV、80年代のミニFMを支えた技術動向を辿ることで、マスメディア(=大衆化)ともパーソナルメディア(=個人化)とも機能的に異なる、メディアに媒介された「つながり」の欲望が育まれていった過程を解明した。さらに本研究の歴史的知見を踏まえ、東日本大震災の復興を支える「つながり」を継続的に駆動していくために、情報技術に課せられた役割を検討した。
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