絶滅危惧植物を中心に117 種555標本の標本種子の発芽試験と胚の酵素活性を調査したところ、73種(62%)、235標本(42%)において生存が確認された。生存が確認された最も古い標本種子は87 年前のヒメヒゴタイであった。 12種類の標本作製方法と種子の生存の関係について検討した結果、40℃以下で乾燥処理を施すと高い生存率を示すことが明らかになった。 発芽実生を得ることができたスズサイコについて、4つの標本由来の実生集団と採集元の野生集団の遺伝的多様性を比較した。実生集団の遺伝的多様性は著しく低かったが、野生集団から失われた対立遺伝子が確認された。
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