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2011 年度 実施状況報告書

都市域における自然系エコミュージアム形成・持続的運営のための手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23701026
研究機関兵庫県立人と自然の博物館

研究代表者

橋本 佳延  兵庫県立人と自然の博物館, 自然・環境再生研究部, 研究員 (60372140)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードススキ草原 / エコミュージアム / 生物多様性 / 草原生植物 / 研究会発足 / 行政連携 / 保全生態学 / 環境学習
研究概要

1.平成19年度より草原保全活動を協働で行っている市民グループ7団体、研究者からなる東お多福山草原保全・再生研究会を発足した。2か月に1回の頻度で定例会を開催し、エコミュージアムの形成・運営に向けた協議を行い、本草原の生物多様性の保全活動計画(案)を策定した。協議内容は当初、東お多福山草原生物多様性戦略(仮称)としてとりまとめ、広く一般に意見を求める予定であったが、保全計画(案)としてとりまとめ「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」 第4条第4項の規定に基づき、神戸市および芦屋市に提案することに変更した。このことにより、平成24年度以降に関係行政機関とエコミュージアム形成に関わる協議を公的に進める基礎を整えた。2.東お多福山エコミュージアム(仮称)の整備・運営の協力者および利用者獲得を図るため、自然観察会と一般市民向けのネザサ刈り取りセミナー(共催:兵庫県神戸県民局)を実施し、新規に2団体の刈り取り作業への参画を取り付けた。3.草原管理の継続による草原生植物の多様性の回復効果の検証については、平成19年から22年にかけての刈り取り実験のモニタリング結果と草原生植物の分布調査の結あわせてとりまとめ原著論文として投稿した(現在審査中)。また平成22年までのモニタリング結果から、当地における草原生植物の多様性の回復には、秋の刈り取りだけでなく夏のネザサの選択的刈り取りも行うほうが有効であることが明らかになったことから、草原生植物が集中的に分布する立地についてはネザサの選択的刈り取りを行った。4.ガイドブック作成のための基礎資料として東お多福山草原内の主要な草原生植物の分布を調査した。またエコミュージアムとしてふさわしい草原の姿(春季、夏季、秋季)について、植物相、植生調査資料をもとにイラストを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画に挙げていた、「古写真収集による過去の植生の復元」の調査項目について着手できていないため。古写真の提供時にかかる権利条件の整理が不十分であり、呼びかけるに至っていないため。

今後の研究の推進方策

1.平成23年度に行った「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」 第4条第4項の規定に基づく保全計画(案)の提案によって、神戸市および芦屋市、環境省、兵庫県、東お多福山草原保全・再生研究会等の関係各機関が出席する連絡調整会議が定期開催されることとなった。これら協議の場を活用して、東お多福山草原エコミュージアム(仮称)の基礎となる草原保全活動の継続性を担保し、社会的取り組みとして位置づけるための方策について研究を進める。2.東お多福山エコミュージアムの案内人の養成方法を検討するとともに、その教材(ガイドブック)作成に必要な地域史情報について地権者、草原利用者(登山グループ、自然保護団体等)へのヒアリング調査や古写真収集調査を実施し、原著論文等にとりまとめる。また平成23年度と同様に行政と連携して草原管理体験セミナー等の開催し、エコミュージアムの運営参画者や案内人の養成セミナーを試行し効果的な養成手法を開発する。3.草原生植物の多様性の高いススキ草原の維持には管理の継続が必要であることから、平成24年度も年1回の刈り取りを行い、自然環境の魅力向上を図るとともに、年3回のモニタリングによりその効果を検証する。

次年度の研究費の使用計画

申請時の計画に従い、適切に執行をすすめるが、平成23年度予算を24年度に繰り越した部分については、昨年度着手できなかった古写真収集調査や案内人養成のための教材となる地域史調査などに充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 東お多福山草原保全・再生研究会として活動の年次報告書をとりまとめた。また研究会の活動紹介リーフレットを作成した。

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公開日: 2013-07-10  

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